2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21520664
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
箱石 大 東京大学, 史料編纂所, 准教授 (60251477)
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Keywords | 日本史 / 情報史 / 明治維新 / 戊辰戦争 |
Research Abstract |
本研究は、戊辰戦争期に維新政府が行なった情報・宣伝活動に関する史料を収集して、これに政治史的観点から分析を加えることを目的としている。本年度の研究成果は以下の通りである。 1.諸藩に対する情報・宣伝活動関係史料の収集と分析 鳥取県立博物館所蔵の鳥取藩政資料を閲覧し、鳥取藩による戊辰戦争の戦状届書作成に関する史料や、征討軍内における『太政官日誌』などを媒介とした維新政府の情報伝達に関する史料をデジタル写真撮影によって収集し、その内容を分析した。 2.民衆に対する情報・宣伝活動関係史料の収集と分析 京都大学附属図書館所蔵の維新特別資料文庫(尊攘堂旧蔵資料)に現存するトコトンヤレ節歌詞摺物(墨摺版)の版木について、現物調査及びデジタル写真撮影を行なった。その結果、この版木は、昭和3年11月の尊攘堂祭典記念として模刻されたものであり、このとき頒布された摺物複製品の印刷に利用され、さらに、昭和9年10月の甲子七十年記念祭に際しても、頒布用摺物複製品の印刷に利用されていたことが判明した。 3.外国人に対する情報・宣伝活動関係史料の収集と分析 昨年度収集したドイツ・フライブルク連邦軍事文書館所蔵の幕末維新期日独関係史料について、引き続き海外研究協力者の助力を得て翻刻・翻訳し、その内容を分析した。なお、戊辰戦争期におけるプロイセンと会津・庄内藩との秘密交渉に関する史料、及びシュネル兄弟関係史料を分析した成果の一部は新聞でも報道された(『朝日新聞』2011年2月5日夕刊・同2月7日朝刊など)。
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Research Products
(2 results)