2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21520687
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
井川 克彦 日本女子大学, 文学部, 教授 (50243803)
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Keywords | 生糸 / 商人 / 長野県 / 地域市場 / 上田 / 小県郡 |
Research Abstract |
(1)平成22年8月23~25日に長野県調査を実施。参加者は、井川克彦のほか西川武臣(横浜開港資料館)・小林延人(東京大学大学院博士課程)・吉良芳恵(日本女子大学)・高橋未沙(同学大学院博士課程)・阿部勇(東信史学会)。上田市立博物館で従来作業の継続として幕末・維新期の商人・豪農を収集。上田市史編集室に幕末期の貴重な商人史料複製が保管されていることを確認。また佐久市史編集室において岩村田藩関係史料を調査し、同藩の御用為替に関わる史料を探し、まとまった史料の存在は確認できなかったが、藩財政・御用為替を扱った郷土史家の論文を発見。 (2)器械製糸業勃興条件としての明治初期の小県郡と諏訪郡の原料繭生産・製糸経営組織の状況について、論稿を活字化(「諏訪器械製糸業勃興に関する統計的検討」、22年10月刊行『史艸』51号)。諏訪郡と対照的な、小県郡における小生産者的養蚕製糸一貫経営の圧倒的存在を強調した。 (3)日本農業史学会の研究報告会(於東京大学、平成23年6月11日)において、井川克彦・土金師子(日本女子大学大学院博士課程)が共同研究の成果の一部を報告(同会は3月29日に予定されていたが東日本大震災のため同日に延期)。井川報告は江戸期の展開に規定された明治10年代の小県郡改良座繰運動について、土金報告は明治前期の養蚕技術について両郡を比較した。この報告と、田中雅孝(長野県飯田長姫高校)・坂口正彦(日本学術振興会特別研究員)の下伊那郡に関わる報告は、井川が組織したシンポジウム「戦前期長野県養蚕業と地域-小県郡と下伊那郡」の一部を成した(コメンテーター松村敏(神奈川大学))。このための研究会・反省会を実施(22年8月30日飯田市歴史研究所、23年5月5日本女子大学)。
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Research Products
(3 results)