2011 Fiscal Year Annual Research Report
中国におけるイネの栽培化と農耕社会の形成過程-考古学と遺伝学の学際的研究-
Project/Area Number |
21520780
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Research Institution | Research Institute for Humanity and Nature |
Principal Investigator |
細谷 葵 総合地球環境学研究所, 研究部, プロジェクト研究員 (40455233)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 洋一郎 総合地球環境学研究所, 研究推進戦略センター, センター長・教授 (20145113)
槙林 啓介 総合地球環境学研究所, 研究部, プロジェクト上級研究員 (50403621)
田中 克典 弘前大学, 人文学部, 特任助教 (00450213)
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Keywords | イネ遺存体 / 野生植物遺存体 / 考古資料 / DNA分析 / 東西交易 / 多様性 / イネ栽培 / 長江下流域 |
Research Abstract |
イネの栽培化と農耕社会の形成過程の解明を目的に、過去2年間は考古学と遺伝学それぞれの分野で研究活動を展開してきたが、本研究費の最終年度である今年度は、その統合と成果発信を行った。 まず、研究代表者・細谷と、研究分担者・槙林は、それぞれの視点から本研究費のテーマについて研究成果の統合をはかり、複数の国際学会で口頭発表を行った。中国・余挑市で開催された国際学会「Hemudu Culture International Forum:In Global Perspective」(2011年5月)は、まさに本研究費のテーマである長江下流域の農耕文化をテーマに各国の研究者が討議したものであったが、細谷と槙林の両名が発表者として参加した。細谷は植物遺存体会析、槙林は人工遺物分析の視点から、長江下流域・初期稲作期の植物食料の生産・加工文化と社会の関係、そして農耕社会形成にむけてのその変遷について、植物考古学・考古学・遺伝学の学際研究によって新しい視点が開けることを発表し、良いフィードバックを得たとともに、この学会を基にした書籍出版にも、依頼されて参加することになった。その他、細谷は北京大学における国際シンポジウム、スロベニア・リュブリャナ大学における招待講演、槙林は総合地球環境学研究所における国際シンポジウムなどで、さらに広く国際的な研究発信を行った。 2011年2月には、当初の計画通り、海外研究協力者の趙志軍(中国社会科学院)、楊春(吉林省考古研究所)らを招待し、北海道埋蔵文化財センターにて、本研究費主催による国際ワークショップを開催した。研究代表者・分担者の細谷、槙林、田中、佐藤の全員が研究成果を発表(佐藤はコメンテーター)したとともに、趙志軍に加えて東北大学大学院、北海道開拓記念館などの研究者らの招待発表も得て、本研究費の成果のみならず、今後効果的な学際研究をいかに展開していくべきかを十分に議論した。ワークショップの内容についてさらに発信すべく、報告書を作成中である。
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Research Products
(11 results)