2010 Fiscal Year Annual Research Report
人口減少時代における通勤限界郊外住宅地の変容と持続可能性
Project/Area Number |
21520803
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
川口 太郎 明治大学, 文学部, 教授 (90195058)
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Keywords | 都市整備 / 人間生活環境 / 人文地理学 / 住宅地 |
Research Abstract |
本研究の目的は,大都市通勤圏の外縁部に立地し相対的に立地優位性に劣る郊外住宅地において,高齢化が進むなかでその持続可能性を検討することにあるが,そのためには住宅(地)を継承する立場にある子世代(郊外第二世代)の居住地選択の動向を知る必要がある。そこで本年度は,明治大学を1994年から1999年の間に卒業し,東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県の1都3県に在住する卒業生に対して,本人及び配偶者の職歴・居住歴に関するアンケート調査を行った。 調査では,明治大学校友会名簿から当該年度の卒業生4,500人(男性3,500人,女性1,000人)を無作為に抽出して調査票を2010年9月に郵送し,628人(14.2%)をメールバックで回収した。回答者は1971年~1977年生まれの第二次ベビーブーム世代であり,そのうち8割強が東京圏の出身者,8割弱が既婚者であった。東京圏出身者つまり第二世代に関してとくに注目されるのは,既婚者の6割が東京圏出身者同士の結婚であること,男性の4割,女性の6割が結婚するまで実家に住んでいたこと,結婚後に親と同居する世帯は少ないものの,5割強が夫婦いずれかの実家から10km圏内に居を構えていることなどであり,実家との結びつきの強さが示される。つまり第二世代の居住地選択は実家の位置がひとつの基準となっており,それゆえ親世代とそれほど居住地分布は変わらないものの,より都心に近い方向に内向移動していることが判明した。
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