2009 Fiscal Year Annual Research Report
高齢化コミュニティの暮らしの変化と保健戦略-八丈島と奥会津山村の比較研究-
Project/Area Number |
21520823
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
立柳 聡 Fukushima Medical University, 看護学部, 講師 (40315669)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 誠一 東洋大学, 社会学部, 教授 (30181770)
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Keywords | 奥会津地方 / 民俗 / 保健・医療・福祉・まちづくり / 八丈島 / 社会構造 / シャーマニズム / 高齢者 / 島嶼コミュニティ |
Research Abstract |
平成21年度における本研究プロジェクトの主たる課題は二つあった。第一点は、奥会津地方における調査対象字(地区)の選定を行うと共に、先行研究の成果を集約しつつ、当該字(地区)における民俗調査と保健・医療・福祉・まちづくりなどの担当者との情報・意見交換を緒に就けること。第二点は、八丈島における民俗調査の成果の集約に向けて、特に古文書資料の分析を推進すると共に、高齢者の健康観や病気観を明らかにする質的データの集積を図ること、八丈島の保健・医療・福祉・まちづくりなどの担当者との面識を深め、当該分野の現況の取り組みの特色を把握することであった。 月例の研究会において、収集された資料の分析や研究計画の調整を行いながら:第一点に関わっては、21年9月以降、福島県昭和村・金山町・三島町への4次に及ぶ現地訪問によって、実地踏査や関係資料の収集、古老や地区の代表者からの聞き取り、一部行事への参加を進め、民俗や社会構造の特色の解明において、注目すべき慣行や制度を把握するに至り、全戸対象の世帯調査に向けた準備を完了した。また、保健・医療・福祉・まちづくりなどの担当者を把握し、資料収集を進め、現行事業に対する理解を深めた。 第二点に関わっては、6月以降、5次に及ぶ渡島によって在島の研究者との共同で古文書資料の整理を進める一方、病気や健康の観念の形成に影響を与えているシャーマニズムの特色の解明に向けた民俗調査を一段と展開したほか、高齢者の健康観や病気観を明らかにする目的で、ことわざ創りの手法によるデータの収集を行った。また、在島の保健師、栄養士などの協力を得て、島内の関係者と意見交換などを行い、八丈島の保健・医療・福祉・まちづくりの特色の把握に努めた。なお、研究成果を積極的に公にするために、島嶼コミュニティ学会の設立と、研究誌「島嶼コミュニティ研究」の編集作業に着手した。
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