環境防災に関する民俗知識の文化人類学的研究-沖縄県を事例として

2010 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 21520829
• Research Institution: Meiji University
• Principal Investigator: 山内 健治 明治大学, 政治経済学部, 教授 (60254728)
• Keywords: 防災 / 文化人類学 / 民俗知識

Research Abstract

平成22年度は沖縄県における本島ならびに離島部における台風・気象・海流の変化に関する、民俗知識並びに民間伝承の聞き取り調査と民族史、字史、郷土誌に関する、文献データの収集と分析を実施した。とりわけ、夏期には、沖縄県読谷村、名護市、大宜味村塩谷、糸満市でのフィールドワークを実施し、台風の予兆に関する、気象、動植物に関する、民間伝承に関しての、聞き取りと文献収取を実施した。また琉球大学の防災研究所の研究協力をえて、防潮被害とその対策に関するデータを入手、参考資料とした。また、本年度は、民俗知識の一環として、雨乞い儀礼を含む、祭祀儀礼に関して、沖縄県下、備瀬地区で、ビデオカメラにより撮影し、記録・保存した。また、祭祀儀礼に関する文献調査・資料収集を本格的に本年度より開始した。調査対象地は沖縄県宮古島、および波照間島であった。とりわけ、波照間島に関する雨乞い儀礼に関しては、年間を通じた、全儀礼過程を聞き取り調査、復元することが可能となった。
現在、平成22年度において資料収集した、民間伝承における、風・雨、潮、干ばつ、台風に関する予兆現象の聞き取りを終えた資料に関して、データベース化を終了した。