2010 Fiscal Year Annual Research Report
沖縄と南中国における個人的ネットワークを通した人の移動
Project/Area Number |
21520834
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
小熊 誠 神奈川大学, 外国語学部, 教授 (90185562)
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Keywords | 沖縄県人 / 上海沖縄賢人会 / ネットワーク |
Research Abstract |
2010年度は、国内調査3回と海外調査3回の計6回実地調査を実施した。 沖縄調査は、4月2日から4月5日、6月25日から28日、7月23日から29日の3回実施し、主に沖縄県産業振興公社にて上海、香港、福州の沖縄県事務所における業務日誌関係の資料を収集した。その中で、香港や上海における沖縄県事務所の活動は、沖縄県産品の販路拡大や観光誘致を主にしているのに対し、福州の沖縄県事務所は沖縄県が建築して福建省に貸与している友好会館の運用を中心に活動が行なわれているという違いが明らかになった。その中で、沖縄県事務所が沖縄県人とどのように関わっているかについてさらなる調査を必要とすることがわかった。 海外調査は、5月28日から31日が上海、8月8日から17日が北京・福州・上海、1月9日から12日が上海で行われた。上海では、上海沖縄県事務所と上海沖縄賢人会での調査を主として行なった。沖縄賢人会は、2000年くらいから沖縄県出身者の数名が集まって飲み会をしていたが、2005年の世界ウチナーンチュ大会が開かれることをきっかけに沖縄賢人会として組織された。上海の沖縄県人は、日系企業の派遣ではなく、地元採用の人が多く、長期に上海に在住している人が多いのが一つの特徴である。そして、その活動もエイサーや三線など沖縄文化を通して沖縄県人だけでなく、他県人とも交流している。このような沖縄県人ネットワークの特徴を、北京、香港、福州での調査でも確認できた。
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