2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21530031
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
鈴木 秀美 大阪大学, 高等司法研究科, 教授 (50247475)
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Keywords | 通信放送法制 / 表現の自由 / 放送の自由 / 通信と放送の融合 / 番組編集準則 / 番組調和原則 / 通販番組 / 自主規制 |
Research Abstract |
研究成果の公表としては、2010年3月23日にドイツ連邦共和国イルメナウ工科大学で開催された日独メディア法シンポジウムにおける日本の放送法制についての報告を原稿にまとめた(同シンポの他の報告とともに単行本として2012年中にドイツで刊行予定)。この報告と同じ内容の論文を早稲田大学「企業と法創造」に寄稿した。この論文では、2011年に施行された新放送法が従来の番組調和原則の枠組みの中で通販番組規制を新設したことを検討した。放送法の番組編集準則による内容規制に関連して、総務大臣が監督を行うことは表現の自由の観点からは問題があるにもかかわらず、今回の改正は、当該憲法問題を積み残したことを指摘するドイツ語の論文を、Rainer Wahl教授70歳記念論文集に寄稿した。また、日本の放送法が放送事業者に自律を促す手法を用いており、自主規制のために設立されたBPOが重要な役割を果たしていることを分析したドイツ語の論文をKlaus Stern教授80歳記念論文集に寄稿した(2012年4月刊行予定。それと同旨の論文を「月刊民放」に寄稿した。 調査研究活動としては、放送事業者、通信事業者、広告代理店などから通信放送事業の現状や制度・政策上の課題について聞き取り調査を行った。また、国内(東京)・国外(ドイツ)で資料収集や研究者との意見交換も行った。 2011年3月11日に発生した東日本大震災と福島の原発事故をきっかけに災害放送の役割にあらためて注目が集まった。原発事故への政府対応の問題点を検討した論文(「ジュリスト」掲載)の中で、放送とリスク・コミュニケーションの問題にも言及した。また、2012年3月末には自費で福島の放送事業者から震災後の災害放送についての聞き取り調査も行った。
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Research Products
(4 results)