2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21530038
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Research Institution | International Christian University |
Principal Investigator |
稲 正樹 国際基督教大学, 教養学部, 教授 (00113655)
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Keywords | 国際人権 / 地域的保障 / アセアンの事例 |
Research Abstract |
国際人権の地域的保障に期待される標準的な内容について、国連人権高等弁務官東南アジア地域事務所は以下の諸点を明らかにした。これらは、東北アジアにおける制度構築に関して、参考となる。 第1に、「監視」に関しては、地域の一般的な人権状況を監督し、地域レベルでの集団的行動のための勧告を含む報告書を発行すること。特定の人権状況に関する情報を含む人権の促進と保護に関する情報提供を当事国に求めること。特定の人権問題を調査するために当事国への現地査察を行うこと。現地査察と報告書の作成後に定期的に進捗報告書を発行すること等である。 第2に、「通報」に関しては、人権侵害を主張する人・集団・非政府組織からの通報を受理し、調査し、分析し、決定すること。通報者は、国内レベルで人権侵害を救済するすべての手段を尽くしたことを示さなければならない。機構が人権侵害を発見する場合には、当該当事国に勧告がなされ、適切な救済勧告がなされる。いずれの当事国も、他の当事国が人権侵害を行っている旨を主張する通告を、地域人権機構に伝えることができる。 第3に、「能力形成と教育」に関しては、人権訓練プログラムを提供し、人権教育プログラムの作成を助けること。国際人権規範・標準との一致を確保するために、国内と地域の政策・立法に関して助言すること。人権に関する問題の助言について当事国に対応すること。人権基準の意味を明確にする助けとなる一般コメントを採択し、国際人権条約の批准・加入を奨励すること。関係の国際・地域・国家・地方機関と協力し協議すること等である。 第4に、「構成」に関して、地域機構は政府から独立した、人権の領域において認められた能力をもつ清廉で公平な人物であるメンバーによって構成される。メンバーは市民社会・非政府組織・国内人権機関との密接な協議を含めて、国内レベルでの公平で透明な選抜過程を経て当事国によって指名される。
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Research Products
(2 results)