2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21530118
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Research Institution | Nihon Fukushi University |
Principal Investigator |
川田 稔 日本福祉大学, 社会福祉学部, 教授 (20115554)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 満州事変 / 日中戦争 / 太平洋戦争 / 永田鉄山 / 石原莞爾 / 武藤章 / 田中新一 |
Research Abstract |
昭和期陸軍の中国政策の成立とその崩壊までの展開を、主要な軍人の国家構想・世界戦略構想のレベルから照射し、昭和陸軍のもとでの日中関係とそこにはらまれていた可能性を分析・検討した。そのことを通して、この時期以降、第二次世界大戦にいたる道の要因を、新たな視点から再検討した。 具体的には、宇垣一成、永田鉄山、荒木貞夫、小畑敏四郎、東条英機、石原莞爾、武藤章、田中新一など、この時代をリードした主要な軍人の対中国政策構想とその中国観を、それぞれの国家構想・世界戦略と関連づけながら明らかにした。 また、日本側の政策や構想と関連させながら、当時の中国側ことに国民党・国民政府の対日政策を、蒋介石や張学良などの構想を明らかにし、日本の選択可能性の幅を検討した。さらに、当時のアメリカ、イギリスなど欧米諸国の東アジア政策構想を、スティムソン、ルーズベルト、チェンバレン、チャーチルなどを中心に検討し、昭和日本の中国政策へのインパクトを明らかにした。 このような昭和期の主要な陸軍軍人の構想分析の検討の結果、昭和陸軍の中国政策をリードしたのは、宇垣一成、永田鉄山、石原莞爾、武藤章、田中新一であり、彼らの国家構想・世界戦略構想、それに基づく対中国政策の相克が、現実の昭和陸軍の対中国政策をリードし、それが、ヨーロッパでの第二次世界大戦の勃発とリンクし、太平洋戦争へと突入していくことが明らかとなった。 また、陸軍の対米開戦決意は、対中国政策のラインからばかりでなく、そもそも武藤章、田中新一らの国家構想・世界戦略構想に基づくものであることも明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)