2009 Fiscal Year Annual Research Report
ジョージ・ケナン、ポール・ニッツェとアメリカ外交の展開
Project/Area Number |
21530155
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
佐々木 卓也 Rikkyo University, 法学部, 教授 (60202090)
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Keywords | 冷戦 / 封じ込め / アメリカ外交 |
Research Abstract |
研究計画に沿って、アメリカ合衆国の外交史料(FRUS)の関係部分、冷戦史の研究書の閲読、立教大学図書館が保管するトルーマン、アイゼンハワー、ケネディ、ニクソン大統領図書館の関係史料(マイクロフィルム)の分析を進めている。これらの作業をつうじ、研究課題に対する一定の理解をもつとともに、冷戦史研究状況のおおよその確認をすることができた。とくに昨年刊行されたケナンとニッツェの初のdual biographyであるNicholas Thompson, The Hawk and the Dove : Paul Nitze, George Kennan, and the History of the Cold Warは非常に有益であった。 昨年六月下旬から二週間余り、ワシントンの議会図書館でニッツェの個人文書をリサーチし、史料を収集した。その後ニューヘブン市イェール大学歴史学部のJ・L・ギャディス教授を訪ね、ケナン、ニッツェの外交構想、冷戦史研究、上記Thompsonの伝記等について意見を交換した。ギャディス教授は現在、ケナンの伝記を執筆中であり、その概要について伺うことができた。教授との面談は今後の研究の重要な指針、参考になった。 今年3月中旬には、プリンストン大学図書館を訪れ(本科研費の旅費を利用)、ケナンの個人文書を、とくに公開されたばかりの彼の日記(全面的な公開ではなく、まだ一部が未公開である)を中心に収集した。帰国後はニッツェ、ケナンのペーパーの分析を行っている。 報告者は以上の作業で得た新たな知見をもとに、現在『冷戦-二つの世界をこえて』(仮題、有斐閣)の執筆を進めている。これは冷戦史の包括的な研究書であり、今年度の出版を予定している。
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Research Products
(1 results)