2010 Fiscal Year Annual Research Report
Experiments on Green Goods
Project/Area Number |
21530213
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Research Institution | National Graduate Institute for Policy Studies |
Principal Investigator |
MUNRO Alistair 政策研究大学院大学, 政策研究科, 教授 (10515654)
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Keywords | green goods / economics experiments / impure public goods |
Research Abstract |
エコ商品は、消費者に直接的な利益をもたらすとともに、環境にも利益をもたらす。たとえば、カーボン・ニュートラルな航空機による旅や、持続可能な森林から作られた家具は、ともにエコ商品である。エコ商品は、より広義で時に「エシカル(倫理的)商品」と呼ばれる商品に属する。これらの商品の多くは倫理的な側面を持つ。エコ商品の存在と販売がより大きな環境保護につながるとの指摘もときどきある。しかし多くの場合、商品価格のごく一部しか環境保護に役立てられていない。 以前の研究に引き続き、2010年度から2011年度にかけて実験を重ねた。前回の実験と同様、被験者には予算が与えられる。彼らはエコ商品と通常商品のどちらも買うことができる。同じ環境理念に対し、別途寄付をすることもできる。被験者にエコ商品を購入する機会を与えると、環境理念に対する全体的な貢献度が下がることが判明した。基本的に、実際に環境にもたらす利益がごくわずかな場合でも、エコ商品を購入する被験者は多い。そしてエコ商品を購入することで、それとは別に環境理念に対する寄付を行うことをやめるのである。その結果、環境に対する寄付全体は減少する。一方、正当な環境理念に対する貢献を求められるような状況を回避するために、あえてお金を払う被験者もいる。被験者が既婚者の場合、自身の家計の足しにする機会を優先し、正当な理念に充てる支出を抑える傾向があることがわかった。 全体として、我々の実験から、エコ商品の存在は環境理念に向けられる資金の減少をもたらしうることがわかった。また、多くの人が、環境のようなgood cause(正しい理念)に貢献することを回避できる機会を逃さないであろうことも示唆された。
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Research Products
(2 results)