2011 Fiscal Year Annual Research Report
情報通信産業の規制改革の理論・実証研究:利便性と安全・安心の両立を目指して
Project/Area Number |
21530218
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
依田 高典 京都大学, 経済学研究科, 教授 (60278794)
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Keywords | ブロードバンド / 情報通信 / ADSL / FTTH / 2G / 3G / ユニーバーサルサービス / デジタルデバイド |
Research Abstract |
本研究「情報通信産業の規制改革の理論・実証研究:利便性と安全・安心の両立を目指して」では、電気通信民営化・自由化から25年を経て、世界に先行する目日本のブロードバンド・サービス、携帯電話サービスを対象にして、新しい規制改革の在り方を理論・実証の両面から研究した。 最終年度にあたる平成23年度では、平成21年度の行動経済学的理論研究と平成22年度のミクロ計量経済学的実証研究を総合し、効率性を追求する競争政策と安全・安心を確保する消費者行政を一元的な視点から勘案し、情報通信産業の規制改革のあるべき姿を論じ、現実的な要請に応えられるような政策的提言を行った。 主要な研究内容は一般向けに出版した図書の中で以下のように要約された。 依田高典(2011)『次世代インターネットの経済学』岩波新書237pp2011年5月. 本書の目的は、発展著しい情報通信産業を経済学から解き明かしていこうというものである。光ファイバ通信(Fiber to the Home, FTTH)や第三世代(The 3rd Generation, 3G)携帯電話など、日本は世界一速くて安いプロ}ドバンドを持ちながら、MicrosoftやGoogleのような、世界に冠たるコンテンツ企業が現れないというジレンマに直面している。本書は、一般読者に向けて、情報通信経済学を分かりやすく解説すると共に、日本のブロードバンドが直面する現状と課題を豊富なデータから論じた。
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