2009 Fiscal Year Annual Research Report
クロスボーダーM&Aによる自動車産業再編の経済効果
Project/Area Number |
21530308
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
永野 護 Nagoya City University, 大学院・経済学研究科, 教授 (20508858)
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Keywords | クロスボーダーM&A / 株式取得比率 / マネジメント・システム変化 / 買収企業収益性変化 / ターゲット企業収益性変化 |
Research Abstract |
平成21年度の研究では、株式取得比率データ、買収企業・ターゲット企業の財務データの2種類のデータを用いた実証研究を行った。具体的には、北米・東アジアの自動車メーカーが買収者として取得比率10%以上の株式取得を海外で実施した場合、北米・東アジアの自動車・部品メーカーがターゲットとして取得比率10%以上、株式を取得された場合、の2つのケースに該当する企業を抽出し、それぞれの企業に対して、1997年から2007年までの上場企業財務データをマッチングしたデータを作成した。このマッチングデータを用い、株式取得がアナウンスされた前3年間と、ディール完了後3年間の、収益性(ROA, ROE等)、財務安全性(負債比率、インタレストカバレッジ等)、成長性(売上高伸び率等)の変化を統計的に検証し、取得比率別に経営パフォーマンスの変化を検証した。次に、このデータを用い、さらに、取得比率以外の経営パフォーマンスに影響を与える要因を検証した。具体的には、買収者・ターゲット企業がともに同業種、いずれかが他業種の場合(いずれも米SIC業種コード基準で見た場合)、ターゲット企業の内部資金力が高いにも関わらず経営パフォーマンスが悪い場合、買収者が高成長企業で経営パフォーマンスが優れている場合、買収者が高技術保有企業もしくは国際的流通販路を有する企業の場合、を仮説として実証分析を行った。
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