2011 Fiscal Year Annual Research Report
若年層のキャリア形成を支援する人間関係に関する研究
Project/Area Number |
21530427
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Research Institution | Otemae University |
Principal Investigator |
坂本 理郎 大手前大学, 現代社会学部, 講師 (40449864)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西尾 久美子 京都女子大学, 現代社会学部, 准教授 (90437450)
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Keywords | キャリア形成 / 若手社員 / メンタリング / 垂直的二者関係 / デベロップメンタル・ネットワーク |
Research Abstract |
調査計画の最終年度として、ここまでの調査で得られた発見事実の整理および統合を試みた。その結果、対象が多様でかつ緊密さが比較的緩やかな関係性が、新規的でプロセス重視の職務に従事する若手社員の成長に有効に作用することが確認された。ただし、その若手社員の自律度が高く、また上司の関わり方が委任的である場合には効果があるが、そうでない場合(自律度が低い、あるいは上司の関わり方が指示的)は有効ではないことも見出された。また、本研究の調査結果からは、若手社員を取り囲む人間関係が変容するプロセスを捉えることができなかったが、これは、職務特性による影響の方が人間関係の構築には大きかったためと考えられる。 これらの発見事実は整理して、人材育成学会等での発表やその他の講演を行う一方で、投稿論文としてまとめた(人材育成学会、査読中)。 本研究で得られた知見は、先行研究で十分に検討されておらず、実践の場においても明確に意識されてこなかった点である。さらに研究を進めることによって、職務特性や本人の自律度、さらに上司の関わり方の特性が、キャリア初期における関係性の構築と若手社員の成長度に与える影響についての理論モデルを構築することが可能である。今後さらデータを積み重ね、理論的に精緻なものにしていく。 なお、年度当初に計画していた管理職層への追加的インタビュー調査は、調査協力企業の事情により実施しなかった。一方で、次年度以降の研究計画に向けて、新たな調査対象企業(B社)の開拓を行い、既に予備的インタビュー調査を実施することができた。
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Research Products
(2 results)