2011 Fiscal Year Annual Research Report
コミュニティビジネスの地域資源活用に関するマーケティング論的研究
Project/Area Number |
21530438
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Research Institution | Hachinohe University |
Principal Investigator |
矢野 峰生 八戸大学, ビジネス学部, 教授 (70295963)
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Keywords | コミュニティビジネス / 地域ブランド論 / 商業集積 / ライフスタイル / マーケティング / 経験価値 |
Research Abstract |
平成23年度8月、社会事業家によるコミュニティビジネスを展開している(株)四万十ドラマを訪問調査した。(株)四万十ドラマは、地域食材を活用して地元で生産する1.5次産業づくりを目指している。そのために、四万十川周辺の環境保全に配慮しながら生産者、加工業者、バイヤー、消費者に拠る共感をもつ仲間づくり、事業ネットワーク(コミュニティ)を構築している。個別事業は、栗園再生、デザインに配慮した商品開発、体験観光、ネットショップ、四万十川流域の会員制ファンクラブの運営である。 平成23年度以前、人口過密地域と過疎地域という相反する条件下ある綾町と墨田区を対象に、自治体主導によって形成されたコミュニティによる物語(ストーリー)と地域イメージを活用したコンテクスト・ブランディングの実態を探った。(株)四万十ドラマも、ユンテクスト・ブランディングを実施しており、自治体主導によるコミュニティ形成が自律的発展を遂げ、より高次の経営発展的段階に移行した際に目指すべき参考事例(モデルケース)と捉えて訪問調査した。その際に、民間主導型の事業ネットワーク形成と、メッセージ伝達力の高いデザインを活用したコミュニティビジネスの実態を確認できた。 これまでの3地域を対象とした訪問調査と地域づくりに関する理論的考察から、地域振興を担うコミュニティは民間主導で運営されることが望ましく、地域振興に関与するコミュニティビジネスで地域ネットワークの外部性を活用し、メッセージの伝達力をもつ商品開発、地域イメージとの連携を重視した魅力的な生活空間の創造と提示に注力すべきとの結論を導いた。
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Research Products
(10 results)