2010 Fiscal Year Annual Research Report
新興国自動車メーカーのグローバルマーケティングに関する総合的研究
Project/Area Number |
21530446
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Research Institution | Graduate Institute for Entrepreneurial Studies |
Principal Investigator |
富山 栄子 事業創造大学院大学, 事業創造研究科, 教授 (40449426)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩地 洋 京都大学, 経済学研究科, 教授 (60215944)
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Keywords | 現代自動車 / 新興国 / マーケティング / ライセンシング / KD(ノックダウン) / 小型車 / 現地適応化 / 韓国自動車メーカー |
Research Abstract |
当初の研究実施計画に基づいて,以下の実績をおさめた。第一に,昨年に引き続き、中国、韓国、ロシア、日本で、新興国自動車メーカー(とりわけ現代自動車)のマーケティングと自動車流通業態の実態調査と資料収集を行った。中国調査では一汽トヨタ販売(FTMS)、マツダ中国、一汽トヨタ4S店、ホンダ中国、北京現代工場、北京現代本社、北京アジア村交易市場現代自動車ディーラー調査、韓国調査では現代自動車、現代自動車アサン工場、韓国トヨタ、韓国ホンダ、韓国自動車工業会、韓国トヨタディーラー、韓国デンソー、韓国自動車工業協同組合(KAICA)、現代MOBISほか、ロシアでは、日系および韓国系、ロシア系自動車メーカーのディーラー10社、日本では自動車メーカー(トヨタ、ホンダ、三菱自動車)やAKカーニー等で集中的なインタビュー調査を行い、データを収集した。その結果、韓国自動車メーカーの「非消費者層」への接近方法とマーケティング戦略の豊富な基礎資料を収集することができた。また、新たに、ドイツ、スウェーデン、トルコにおいても自動車メーカー、ディーラーに集中的なインタビュー調査を行い、自動車メーカーのマーケティングと自動車流通業態に関するデータ、先進国自動車メーカーと新興国自動車メーカーのマーケティング戦略の差異性と同質性、先進国・新興国におけるマーケティング移転の差異性と同質性に関する基礎資料を収集した。これらのデータをもとに、スウェーデンで開催された国際学会ICCEESで、トヨタと現代自動車のロシア市場への参入方法とマーケティング戦略の差異性について報告した。これらの調査から、新興国自動車メーカーが新興国市場において踏み込んだマーケティング調査、発想の転換、適切なマーケティング施策を実施し、「非消費層」を「消費者」に変えるために、技術、製品・サービスそのものの発想の転換をしたこと、およびライセンシングによるKD(ノックダウン)による参入プロセスやSTPや流通チャネル、現地適応化などマーケティング力が優れていたことを明らかにすることができた。
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