2011 Fiscal Year Annual Research Report
現代日本のリスク社会化環境における共生社会論のあり方と実践方法に関する実証的研究
Project/Area Number |
21530503
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
和田 修一 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (30106215)
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Keywords | リスク社会の共生問題 / 高齢者生活 / ナショナリズム / 迷惑施設 / ジェンダー / 脱・家族化 / 社会的包摂 / こころの習慣 |
Research Abstract |
本年度は、前年度に実施した意識調査「生活に関する意識調査」から得られたデータの解析を継続するとともに、その解析から得られた知見を論文としてまとめることを中心として研究活動を行った。研究活動の成果は、早稲田社会学会の機関紙である『社会学年誌』53号(2,012年3月刊行)において「特集 後期近代社会における共生問題の構造」として発表された。この特集においては、和田修一がまず「特集概要 後期近代社会における共生問題の構造」の中で、われわれの基本的分析枠組が今日の共生問題を後期近代社会の構造特性として捉える分析視点であることを解説した。本論の中では、その枠組みの中で次の論文によって「共生問題」に関するわれわれの議論が展開されている:和田修一「世代間経済格差の意識と世代間共生」(今日問題化とされている社会保障の受益と負担に関わる世代間格差が生み出す格差意識の分析)、岡本智周「共生社会意識とナショナリズムの構造」(ひとびとが意識しているナショナリズムの構造が、彼らの抱く「共生社会」という社会のあり方への関心の持ち方の上に及ぼす影響に関する分析と議論)、丹治恭子「ケア行為に関する意識とジェンダー-担い手・責任主体の観点から」(今日のわが国生活において避けて済ませない子ども・高齢者の生活ケアを巡る性別役割分担意識がジェンダーという側面からする共生社会問題の解明)、熊本博之「リスク社会における迷惑施設の分散と共生社会の可能性」(必要性を認めながらも身近に建設されることを厭うという、ひとびとが抱く公共施設の建設への意識・態度のあり方がコミュニティ共生意識の形成に及ぼす影響の分析)、麦倉泰子「共生社会と合理的配慮-障害者福祉を中心として」(障害の認識様式と障害者を社会的に受容するという側面での共生意識のあり方分析を通して障害者と健常者の間の共生問題を論じる)。
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Research Products
(6 results)