2009 Fiscal Year Annual Research Report
ナショナリゼーション概念にもとづく近代環境政治史の試み―ダム開発問題を事例として
Project/Area Number |
21530507
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
田中 滋 Ryukoku University, 社会学部, 教授 (60155132)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 竜司 龍谷大学, 社会学部, 准教授 (10291361)
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Keywords | ナショナリゼーション / 国土開発 / 河川 / ダム開発 / 山村 / 流域社会 / 環境 / 社会変動 |
Research Abstract |
本年度は、大正~昭和初期の戦前期と戦後の高度経済成長期の両時期におけるダム開発が山村、林業、流域社会にそれぞれどのような変容をもたらしてきたのかを、庄川(富山県)の二つのダム(戦前の小牧ダムと戦後の御母衣ダム)を対象事例とし、新聞・雑誌記事や市町村史・県史などの収集・整理・分析に努めた。また、ナショナリゼーションの視点から両ダムがもたらした社会変容についての比較分析をも試みた。 また、ナショナリゼーション論の理論・文献研究については、下記の(a)~(c)の三点を焦点として、上記の調査活動と並行しておこなった。 (a)ナショナリゼーションとグローバリゼーションとの比較研究 (b)ナショナリゼーションと近代化との関係についての研究 (c)ナショナリゼーション概念の検討 特に本年度においては、ナショナリゼーション概念の精緻化を図ることがかなりできたし、近代化という概念との関係についても、近代化概念の再考察をとおして理解を深めることができた。 また、共同研究者が大規模河川の河口に江戸時代に発達した都市(九頭竜川・三国、庄川・伏木)における「曳き山祭り」の調査を通して、ナショナリゼーションが進展する以前の社会についての理解を深めることができた。
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