2009 Fiscal Year Annual Research Report
景観形成及び環境保全における地域資源利用をめぐる住民組織の再編に関する実践的考察
Project/Area Number |
21530526
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
家中 茂 Tottori University, 地域学部, 准教授 (50341673)
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Keywords | 環境社会学 / 景観 / コモンズ / 住民組織 / まちづくり / 沿岸資源管理 / 森林ボランティア / エコツーリズム |
Research Abstract |
景観形成や環境保全について考察するとき、20世紀型の生産主義ではない、生活の質を重視した持続性が追求がどのように実現されていくかということが課題となる。そのような観点から、2009年度の研究実績としては、とくに「里海」(沿岸資源管理)と「森林再生」(里山、人工林)を事例として取り上げた論考を著した。それが、次項「研究発表」に記載した3つの雑誌論文である。 里海論においては、沖縄県恩納村において、サンゴ礁沿岸域で海藻(もずく)養殖を営む漁業生産者(漁協)が、多様なステークホルダーを巻き込みながら、「サンゴの海の育む協同事業」に取り組むプロセスについて考察した。そこでは多様な資源利用主体が相互に連携しながら、資源の価値を高めつつ、持続的利用を可能とし、さらには資源再生の取り組みに発展していくプロセスを示した。 また、森林再生については、放置された人工林の間伐促進およびそれによって生じる林地残材の有効利用のシステムを考案し実行している森林ボランティアの取り組みについて、高知県いの町や岐阜県恵那市の事例を取り上げて考察した。そこから、森林再生が、森林だけの再生ではなく、森林と地域社会の関係性の再生であることを示し、それが、産業振興という観点ではなく、地域振興という観点からがなされているこどに着目した。 そのほか、景観形成については、沖縄県竹富島や鳥取県鳥取市鹿野町の住民の取り組みをベースに、景観まちづくりのフォーラムや持続的な観光についての座談会の企画をつうじて、これらの取り組みのなかで住民が抱えている課題について検討を加えた。また、沖縄県慶良間地域のエコツーリズム推進についても、住民、NPO的組織(ダイビング協会等)、行政(環境省)などの相互連関について考察した。
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Research Products
(5 results)