2010 Fiscal Year Annual Research Report
健康不安意識と医療資源の不均等配分の是正に関する社会学的研究
Project/Area Number |
21530546
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Research Institution | Sapporo Gakuin University |
Principal Investigator |
井上 芳保 札幌学院大学, 社会情報学部, 教授 (40175211)
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Keywords | 健康不安意識 / 医療資源 / 不均等配分 / 精神医療 / 過疎地 / 薬の副作用情報 |
Research Abstract |
本研究の目的は健康不安意識の広がりという現象を一つの糸口にして医療資源の配分にかかわる不合理な実態を明らかにし、より適切な配分の実現の可能性を探ることにある。方法としては文献研究、聞き取り調査を含むフィールドワークがある。 健康不安意識と医療の現状に関わる基本的な知見については、しかるべき文献としかるべきインフォーマントを通して入手できた。 昨年度に引き続いて、過疎地の医療の実情などについて聴き取りを重ねたことに加えて、特に精神医療に的を絞って薬剤の使用の実態を中心に情報を得たこと、国際比較の視点を重視したのが今年度の特色である。 青森県への出張では、巨大な市立病院を建設した十和田市を訪れ、市立病院の事務局長、地元紙の記者,市民の方々などから聞き取りを実施した。 東京への出張では、厚生労働省の事情に詳しい関係者から事情聴取と資料収集ができた。美容整形医療に詳しい研究者からも業界の動向について知見を得た。 大阪への出張では、薬の副作用などの情報を市民に提供しているNPO法人医薬ビジランスセンターの浜六郎医師から多々情報提供していただくことができた。 精神医療に関しては、精神薬の出しすぎをチェックしている「精神科セカンドオピニオン」の関係者、患者らからお話を伺うことができた。また札幌にお招きして研究会も実施した。 国際比較に関しては、3月にキューバ共和国を訪れ、医療関係の視察を行った。また、イタリアの精神医療に詳しい方々を札幌にお招きして研究会を実施した。 以上についてわかったことの一部は、下記論文で公刊した。調査が年度末となったため、今年度の成果とはならなかった論稿もあるが、引き続き成果の公表を重ねていきたい。
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Research Products
(3 results)