2010 Fiscal Year Annual Research Report
都市における中間層の変容過程と社会調査:格差社会分析の国際比較のための実証研究
Project/Area Number |
21530557
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Research Institution | Musashi University |
Principal Investigator |
武田 尚子 武蔵大学, 社会学部, 教授 (30339527)
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Keywords | B.S.ロウントリー / イギリス / 労働者階級 / 科学的管理 / 産業心理学調査 / 非安定雇用層 / 女性 / 中間層 |
Research Abstract |
本年度は、次の2点について調査・研究を進めた。1.「中間層」概念の形成・変容をめぐる国際比較、2.地域社会における実証的研究である。 1については、イギリスにおけるベンジャミン・シーボーム・ロウントリーの社会調査と社会実践の関連について解明を試み、単著1冊、論文2本を公刊し、学会報告2件を行った。これらの研究実績を通して、20世紀初頭にイギリスの産業資本家が「リスペクタブル」な労働者階級を育成することに熱心であること、このような労働者階級が20世紀半ば以降にミドルクラスに成長していったことを明らかにした(単著:『チョコレートの世界史』中央公論新社))(論文「戦間期イギリスにおける「科学的管理」の導入-ロウントリー社における産業心理学の導入と労働インセンティブ-」『年報科学・技術・社会』第19巻、「B.S.ロウントリーの田園ビレッジ建設と田園都市運動-イギリスにおける貧困研究と住宅問題の関連-」『ソシオロジスト』第13号)(学会発表:「イギリスにおける田園都市運動とクエーカー企業経営者集団」第28回日本都市社会学会大会、「イギリスの社会福祉・住宅・土地政策とロウントリーの第2次貧困調査-B.S.ロウントリーとロイド・ジョージ、ベヴァリッジの関係から探る」第83回日本社会学会大会)。 2については、単著1冊、論文1本を公刊した。日本の地域社会における中間層の形成過程を歴史的に明らかにし(単著:『海の道の三〇〇年』河出書房新社)、東京都心部における中間層女性の社会的活動の意義を明らかにした(「東京の<冒険遊び場>と担い手」『季刊家計経済研究』第87号)。
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Research Products
(7 results)