2011 Fiscal Year Annual Research Report
過疎高齢者の社会参加活動によるソーシャルサポートシステム構築に関する研究
Project/Area Number |
21530598
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
高野 和良 九州大学, 大学院・人間環境学研究院, 准教授 (20275431)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻 正二 山口大学, 人文学部, 教授 (10123936)
加来 和典 下関市立大学, 経済学部, 准教授 (80214261)
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Keywords | 過疎 / 高齢社会 / アクティブ・エイジング / 高齢社会 / 地域福祉 |
Research Abstract |
本研究の目的は、人口減少率と高齢化率が高まり、高齢世帯の極小化が進行している過疎地域において、高齢者の共助的な社会参加活動によるソーシャルサポートシステム構築のために必要な条件を明らかにすることにあった。そのために、過疎集落を、人口減少率、高齢化率、世帯類型などの構造的要因と、伝統的な社会参加活動(老人会、婦人会など)の活動実態に基づいて類型化し、類型ごとのソーシャルサポートシステム形成の可能性についても検討した。 平成23年度は、これまでに実施した社会調査結果を分析し、最終年度としての総合的な検討を行った。まず、平成22年度に実施した山口県萩市田万川地区を対象地域とする社会調査(調査概要実査時期:20U年2月11日~2月28日、調査対象:山口県萩市田万川地区在住20歳以上の男女、調査対象者数:1000人(選挙人名簿登載者)、抽出方法:系統抽出、調査方法:郵送法、回収数:579票(回収率57.9%))の分析を行った。当該地区は山口県行政による過疎集落(小規模・高齢化集落)支援のモデル事業をうけて、住民座談会を実施し、社会参加活動などを重視した集落維持活動に取り組んだ実績がある。調査結果によると、地域社会への貢献意欲、定住意識、地域に対する愛着度などは高い水準にあるが、社会参加活動への参加は前期高齢層を中心に維持されてはいるが、参加率は必ずしも高いものではなかった。高齢者の社会貢献意欲や社会参加の受け皿となる地域組織や集団の衰退によって、高齢者の社会参加活動によるソーシャルサポートシステムの構築のための全体的な条件がかなり厳しいことが確認できたが、高齢者の見守り活動などを事例として、ソーシャルサポートシステム構築について検討した。研究成果は論文や関連学会で報告するとともに、一部は、当該地区の社会福祉協議会での研究会などでも報告した。
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Research Products
(8 results)