2010 Fiscal Year Annual Research Report
介護における腰痛対策の実態と腰痛予防教育プログラムに関する研究
Project/Area Number |
21530608
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
上之園 佳子 日本大学, 文理学部, 准教授 (00310433)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 由紀子 日本社会事業大学, 社会福祉学部, 准教授 (60299873)
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Keywords | 介護従事者 / 腰痛予防対策 / 介護労働衛生 / 介護福祉機器 / 介護福祉教育教材 / 腰痛予防対策教育プログラム / イギリス・韓国 / 介護の職業上の健康 |
Research Abstract |
本年度の研究目的は、昨年の基礎研究である腰痛に関する国内外の先行研究、文献研究と関連法令、労働、教育内容に関する資料分析による現状把握と実態調査のための企画であった。国内の先行文献の分析によると介護従事者を対象とした調査研究は2000年以降に急増している。調査内容は2001~2005年では腰痛と介護負担が最も多く、2006~2010年では腰痛予防対策が多くなってきている。これまでは労働安全衛生分野の研究が多く、福祉・介護系の研究、腰痛教育やリフトなどの福祉機器に関しては近年増加傾向を示している。また、介護労働環境および腰痛予防対策に関する海外の先行研究では、国際的な介護現場の労働安全の動向及び韓国・イギリス介護政策と介護人材育成の把握を試みた結果、持続可能な介護の社会化を実現するために介護の職場環境と健康管理における今後の方向性として介護政策推進、介護教育の重要性が明らかになった。 腰痛予防教育プログラム作成の基礎研究としては、現場の介護従事者がどのような腰痛予防の教育を受けて現在に至っているのかを確認した。文献研究では、福祉系高校及び介護福祉士養成校で使用しているテキストと関係法令に基づく厚生労働省で定める教育内容を照合した。その結果、介護福祉士養成カリキュラムに準拠したテキストから腰痛対策の教育内容を概観することで、腰痛予防についての理論教育と技術系科目の連動や具体的な手法における記載が不十分であることが明らかとなった。介護技術系科目やその他の関連科目との連携教育を重視する必要が示唆された。 これらの基礎研究の分析を通して、実態調査の目的・企画への議論をおこなった。さらに、2009・2010年度の基礎研究結果を「介護における腰痛対策の実態と腰痛予防教育プログラム報告書:基礎編」としてまとめ、今後の研究の資料とした。
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Research Products
(3 results)