2009 Fiscal Year Annual Research Report
ポスト介護保険時代における介護の質と担い手養成に関する研究
Project/Area Number |
21530639
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Research Institution | Shiraumegakuen College |
Principal Investigator |
森山 千賀子 Shiraumegakuen College, 保育科, 准教授 (50341897)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森山 治 金沢大学, 経済学経営学系, 准教授 (40322870)
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Keywords | ポスト介護保険 / 介護の質 / 担い手養成 / 日韓比較 / 人材育成策 |
Research Abstract |
本研究の目的は、日本と韓国における介護の質と人材育成策の内容を整理することを通して、ポスト介護保険時代に求められる介護の質と担い手養成の方向性を明らかにすることである。以下、平成21年度の研究実施計画に照らし研究成果を報告する。 1.韓国における、介護保険成立以前の介護の質の論議と担い手養成のありように関しては、老人長期療養保険制度に関する行政機関・関連機関、家庭奉仕員・療養保護士並びにその養成機関等へのヒヤリング等を通して、老人福祉法を根拠法とし、低所得者層を中心に活動する老人家庭奉仕員制度と、社会保険方式による認定者を対象とした介護保険制度との間での、制度上の不連続性の一端を整理することができた。在宅福祉サービスにおける介護の担い手養成には、地域福祉と社会保障制度の双方の観点からの再吟味が必要であると考えられる。 2.ポスト介護保険時代に向けて進められている、介護の質と担い手養成のあり方に関しては、両国ともに虐待問題、認知症ケア、医療依存度の高い利用者への対応などが問題視されており、介護人材の養成課題の共通性を把握することができた。 韓国は、介護保険の施行にともない介護の担い手として療養保護士を2年間で60万人誕生させた。そのため、専門的な介護の担い手への社会的認知やそれに伴う労働環境の整備等は始まったばかりである。しかし、少子高齢化の中での多様な介護ニーズの顕在化に応えるには、量的人材確保から質の向上への積極的な人材育成策が必要であることを示唆することができた。
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