2011 Fiscal Year Annual Research Report
ママ友という対人関係についての探索的研究:動機づけ、構造、悩みの分析
Project/Area Number |
21530656
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
中山 満子 奈良女子大学, 文学部, 教授 (30235692)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 晴夫 大阪大学, 大学院・人間科学部, 准教授 (20361595)
池田 曜子 奈良女子大学, 大学院・人間文化研究科, 博士研究員 (90523837)
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Keywords | 友人関係 / 対人葛藤 / 母親 / 成人 / 対人関係 / 対処方略 |
Research Abstract |
育児中の母親同士の友人関係(ママ友)は、成人期の特異な対人関係と考えられる。本研究ではママ友関係における対人葛藤の類型化、及び関連する諸要因の検討を行った。幼稚園児を持つ母親を対象に質問紙調査を行い、ママ友関係への考え方(防衛的-全方位的)、ソーシャルサポートの知覚、自己関連付け傾向、ママ友関係において最近経験した対人葛藤、対人葛藤を経験した場合の対処方略(ポジティブ、ネガティブ、解決先送り)について尋ねた。経験された対人葛藤について探索的にクラスター分析を行い、対象者の類型化を試みたところ、解釈可能性から3クラスターが適当と考えられた。すなわち(1)子どものしつけができていない、教育方針が違うなどの回答が多い「子ども関連トラブル群」、(2)自分の子どもさえよければいいと思っている、あることないこと他人のうわさを流すなどの回答が多い「ママ友パーソナリティ関連トラブル群」、(3)多様なトラブルが回答された「多様トラブル群」である。 分析の結果、ママ友関係への防衛的考え方とネガティブ対処方略においてクラスターの間に差異が認められた。すなわちネガティブ対処方略をとる傾向は「ママ友パーソナリティ関連トラブル群」と「多様トラブル群」が「子ども関連トラブル群」よりも高いこと、ママ友関係への防衛的考え方は、「多様トラブル群」において他の2群よりも高いことが示された。つまり多様なトラブルを経験している人はママ友との深い関係を避けようとする防衛的傾向が高く、ママ友本人の性格に起因したトラブルや悩みがある人は、その悩みに対して関係を回避したり崩壊させたりするネガティブな対処方略を取りやすいことが示された。対人葛藤を類型化することにより、ママ友関係の特徴の一端を明らかにすることが出来た。
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Research Products
(1 results)