2011 Fiscal Year Annual Research Report
老年期の社会的非適応に関する基礎的研究-引退期の不安定就労・逃避・犯罪の実相-
Project/Area Number |
21530660
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Research Institution | Iwate Prefectural University |
Principal Investigator |
細江 達郎 岩手県立大学, 社会福祉学部, 教授 (70004059)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 嘉夫 公立大学法人岩手県立大学, 社会福祉学部, 教授 (20073033)
青木 慎一郎 公立大学法人岩手県立大学, 社会福祉学部, 教授 (60305282)
小野澤 章子 岩手大学, 人文社会科学部, 准教授 (30291850)
糸田 尚史 名寄市立大学短期大学部, 児童学科, 教授 (90352484)
細越 久美子 公立大学法人岩手県立大学, 社会福祉学部, 講師 (90311894)
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Keywords | 社会系心理学 / 老年期 / 社会的非適応 / 職業的社会化 / 高齢者犯罪 |
Research Abstract |
本研究は(1)下北半島出身者を対象とした縦断的調査(老年期の社会的適応・非適応)、(2)岩手県での高齢者犯罪の要因に関する調査を行い、社会的非適応の様態を総合的に分析し、予想される老年層の同種問題への対策等の基礎的枠組みを提供するものである。 (1)に関しては、対象者の総括的な確認調査が行われた。対象9地区544名中、所在確認者は352名、死者48名であり、144名が「不明者」であった。不明者には調査技術上の理由のものが半数以上あり、すべてが非適応者ではないが、前回科研費調査(課題番号18330134)の3類型のうち、第3の不安定就労層が含まれていることが現時点で想定された。面接による詳細確認は可能ではなかったが実際の生活領域などから第3層の周辺部および離職による多様な困難な生活が見られた。この層が完全な「孤立者・非適応者」にならない場合は、その安全網として、出身地域への回帰が離退職数年後に機能し始め、また都市部の地域社会に根付けなかったこれら不安定就労層にとって離退職した職場関係者などの個別的関与が少数ではあるが存在した。さらに今年度対象者に原発事故について調査を行い103名の回答があった。下北半島は原発への関与は多様な形で存在し、今回の事故は、地元での生活基盤に直接かかわる対象者や、退職後故郷回帰展望対象者に大きな影響を与えた。また家族死亡などの実際の被害を受けた対象者にとって、今後の生活展望の再構築が求められている(山崎・細江論文)。 (2)では、岩手県における高齢者万引き防止の調査研究に取り組み、関係機関や団体と連携し、実際の万引き発生過程について各店舗で調査を行った。万引きは青年期の非行から高齢者の犯罪に移行しているが、生活困窮者よりも社会的孤立者の万引きが多く発生していた。万引き防止の詳細な手引きを関係団体と作成して、県民運動へも研究集団として参加した。高齢者を含む今回のような運動が効果的であった。
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Research Products
(5 results)