2010 Fiscal Year Annual Research Report
「祖母仮説」の検討を通じた高齢者の長寿ならびに適応に関する研究
Project/Area Number |
21530664
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
福川 康之 早稲田大学, 文学学術院, 准教授 (90393165)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高尾 公矢 聖徳大学, 人・文学部, 教授 (50167483)
下方 浩史 国立長寿医療研究センター, 予防開発部, 部長 (10226269)
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Keywords | 祖母仮説 / 適応 / 進化 / 長寿 / 高齢社会 |
Research Abstract |
1.中高年地域住民を対象とした大規模調査の結果,以下の点が明らかとなった.1)中年男性群では「家庭内役割の変化」「勤務内容の悪化」の体験者,2)中年女性群では「配偶者の傷病」「家庭内役割の変化」「子の結婚」の体験者,3)高齢男性群では「自分の傷病」や「孫・ひ孫の誕生」の体験者,4)高齢女性群では「配偶者の傷病」の体験者,5)最高齢男性群では「車の運転中止」の体験者,の心理的健康がそれぞれ低い. 2.公営団地の孤独死発生状況に関する検討を行った.この結果,男性は若年代ほど,女性は高年代ほど,それぞれ孤独死が多いことが明らかとなった.さらに,第一発見者(通報者)が親族の場合の顛末はすべてのケースが孤独死ないし自殺であった.これに対して,友人や隣人などのインフォーマルなネットワーク構成員が発見者の場合の顛末は,孤独死の割合が少なく,発見救助に至るケースが多かった.フォーマルなネットワーク構成員が発見者の場合も孤独死は少ないが,発見救助よりも誤報などが多いことが明らかとなった. 3.中高年地域住民の大規模データを解析し,各種のライフイベントが体験される年代の差の有無について,男女別に検討した.その結果,男性では成人中期に「勤務内容の悪化」,(成人後期の中でも)60-74歳の間に「定年退職」,成人後期に「社会活動の変化」や「家庭内役割の変化」の体験率が高いなど,特定の年代に特定の活動の変化が多く体験されるのに対し,女性ではそのような年代差が認められなかった.
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Research Products
(3 results)