2009 Fiscal Year Annual Research Report
将来の感情予期及び現在の感情と自動的-制御的行動との相互作用モデル構成の研究
Project/Area Number |
21530666
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
北村 英哉 Toyo University, 社会学部, 教授 (70234284)
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Keywords | 感情 / ストップルール / 課題遂行 / 気分変化 / 自動的行動 / 制御的行動 / ステレオタイプ / 自己制御 |
Research Abstract |
平成21年度には、現在の感情が課題遂行時にいかに情報として用いられているかを調べるために、ポジティブ気分時、ネガティブ気分時における課題遂行の持続時間に及ぼす影響を実験的に検討した。その際に課題を継続・終了するルールとしての「ストップ・ルール」を与え、ルールと気分の相互作用を検討した。課題を楽しみ、飽きが来ないまで継続し続けるenjoy条件、十分なし終わったと感じたときに終了するenough条件、気分の変化を感じたときに終了する気分変化条件の3群を用意し、パソコンで行うゲーム課題の持続時間を測定し比較した。その結果、気分状態によって最も顕著な違いが見られたのは、気分変化条件であり、ポジティブ気分の方がネガティブ気分時よりも早く課題を終了し、enough条件と同様のルールが適用され、よいと思う気分でより早く課題完了となることがわかった。この結果は、10月に大阪大学で開催された日本社会心理学会・日本グループ・ダイナミックス学会合同大会において発表された。 また、感情のさまざまな効果について、アメリカで開催されたSPSP大会で新たな知見を学び、実験結果と理論的考察をまとめた成果として、現在印刷中である『展望現代の社会心理学』(誠信書房)において、感情と社会的認知の章を執筆した。また、これまでの感情の研究成果のひとつとして、『感情と思考の科学辞典』(朝倉書店)を刊行し、日本における感情研究の分野に貢献を果たした。年度末には、次年度の研究計画であるステレオタイプ的行動場面における将来の感情の影響を検討するための新しい実験プログラミングを検討して委託発注し、完成させ、次年度の実験準備を行った。新しい研究方法の開発として価値あるツールを作成した。
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Research Products
(3 results)