2011 Fiscal Year Annual Research Report
将来の感情予期及び現在の感情と自動的-制御的行動との相互作用モデル構成の研究
Project/Area Number |
21530666
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
北村 英哉 東洋大学, 社会学部, 教授 (70234284)
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Keywords | 感情 / 課題遂行 / 自己制御 / 自動的行動 / 制御的行動 / 目標遂行 |
Research Abstract |
今年度は、感情予測が自己制御に見られる自動的/制御的モードへ及ぼす影響について検討した。予期されるネガティブな出来事に対する対処方法として意識的・自覚的側面を大きく活用するような自分の抱く目標の再確認作業への従事(よりシステマティックな対処)と、自動的注意の制御にあたる回避方略(よりオートマティックな対処)に基づく目標妨害物からの注意の回避や目標達成プロセスにおける気分転換方略などの使い方を2週間にわたる方略使用と感情測定の毎日のモバイル調査と、事前の感情予測評定およぼ事後の結果に基づく感情測定を体系的に比較した。その結果、レポート課題の成功群においても失敗群においても予測時の感情が実際に経験した感情よりも課題に予期されておりインパクトバイアスが明確になった。また、ポジティブな感情を予期しているほど、よりヒューリスティック的自己制御方略を使用する傾向が見られ、ネガティブな感情を予期しているほど、目標の意識的再確認などシステマティックな方略を用いる傾向が実証的に示された。 実際にそのときに感じている満足感や喜び、悲しみや落胆に比べ、予期感情の方が目標達成の自己制御方略への影響は強く、未来に向けて行う目標指向的行動においては将来の予期感情の役割が大きいことが示唆された。 また、23年度には、偏見・ステレオタイプについての感情の効果について、日本社会心理学会第52回大会(名古屋大学)において発表を行った。また、感情を理論的に進化的パースペクティブから捉える論考を今回の研究から得られた学習成果を反映させることで、有斐閣から「進化と感情から解き明かす社会心理学」を刊行し、そのなかで、「適応としての感情」の章を執筆した。
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Research Products
(2 results)