2009 Fiscal Year Annual Research Report
対人援助職のワーク・ライフ・バランスへの取り組みとバーンアウト予防に関する研究
Project/Area Number |
21530668
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
荻野 佳代子 Kanagawa University, 人間科学部, 准教授 (20308159)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北岡 和代 金沢医科大学, 看護学部, 教授 (60326080)
稲木 康一郎 長野大学, 社会福祉学部, 准教授 (30410400)
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Keywords | バーンアウト / ワーク・ライフ・バランス / 看護師 / 組織風土 / ストレス / バーンアウト介入 / バーンアウト予防 |
Research Abstract |
本研究の第一の目的は,対人援助職ワーク・ライフ・バランス(WLB)を推進する組織風土(WLB風土)の測定尺度を開発しバーンアウトに与える影響を検討することである。第二の目的は,WLB風土醸成によるバーンアウト予防・回復のためのプログラムを開発することである。 初年度である21年度は,第一の目的に関するデータ収集および分析を行った。まず,WLB風土要因を明らかにするために,5月と10月の2回,WLB制度の異なる施設に属する看護師約50名が参加するワークショップにおいて,WLB風土に関するグループディスカッションを実施し記述を収集した。 得られた記述整理・分析したうえで調査項目を選定し,WLB風土尺度項目,バーンアウト尺度他から成る質問紙を作成した。併せて協力病院の依頼を行い,1病院から協力が得られ,2月に質問紙調査を実施した。配布数417通,有効回答397通であった。3月にはデータ入力および分析をった。 この結果,WLBの希望と現実が不一致の群は一致している群よりもバーンアウトの程度が高く,仕事の満足度,仕事以外の生活満足度,WLB評価が低いこと,また「WLBの希望と現実が不一致」の群の中でも,「希望せず現実は仕事優先」にある群が仕事満足度,仕事以外の生活満足度WLB評価がより低いことが明らかとなった。よって今後,この群対する介入プログラムを中心に検討する必要性が明らかとなった。22年度は協力病院へ結果のフィードバックを行うとともに,データをさらに分析を加えた上で,WLB風土醸成によるバーンアウト予防・介入プログラムを開発する予定である。なお21年度はデータ収集の段階にあり研究発表を予定したなかったが,22年度の学会発表へ向けて既に申込および原稿の作成を行っている。
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