2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21530674
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
川野 健治 National Center of Neurology and Psychiatry, 精神保健研究所自殺予防総合対策センター, 自殺予防対策支援研究室長 (20288046)
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Keywords | 若年層 / 自殺 / 態度 |
Research Abstract |
若年層の自殺・自殺予防への態度構造を明らかにするために、平成21年度においては、態度測定の尺度作成のためのデータを収集・分析を行いつつ、22年度以降の協力者・協力フィールドの開発に取り組んだ。前者については、川野(2003)を含む複数の尺度からなる調査を実施し、尺度の信頼性・妥当性を検討した。世代・性別を超えて、自殺への態度を、動機的側面:「自殺は当人の勝手にすべきではない(ので支援すべき)」と可能性側面:「自殺の背景にメンタルヘルスの問題がある(ので解決可能)」の二要因から理解できること、ただし、二要因の得点分布に性差・世代差があることが確認された。また、自由記述データの分析からは、人々が死や自殺に見出す動き<プロセス>には違いがみられた。すなわち死は、旅路メタファおよび隣人到来メタファ(死に向かい移動する、死が訪れる)で語られ、自殺は事故メタファおよび因果論(障害/原因説明)のストーリーで語られており、自殺という出来事の理解において機能する解釈枠組み=しろうと理論の存在を仮定することが重要と思われた。これらの結果を参考として次年度以降の調査項目の検討を行った。他方、後者に取り組むうち、若年層への介入の場として学校の重要性が明らかになったため、中学・高校関係者と意見交換の機会を複数回もち、若者の自殺態度の変容のための啓発、さらに予防教育の可能性を検討してきた。また、教員を対象に学校での自殺予防についての調査を実施し、多くの40%以上の高校教員が自殺事例への対応経験がある一方で、その多くが対応に不安を感じていることが明らかになった。
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Research Products
(6 results)