2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21530674
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
川野 健治 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所自殺予防総合対策センター, 自殺予防対策支援研究室長 (20288046)
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Keywords | 若年層 / 自殺 / 態度 / 学校 |
Research Abstract |
22年度において、高校教員を対象に学校での自殺予防についての調査を実施し、40%以上の高校教員が自殺事例への対応経験がある一方で、その多くが対応に不安を感じていることが明らかになった。これを踏まえ、中学・高校関係者と意見交換の機会を持つ中で、若年層への介入の場として、より地域とのつながりの深い中学校の重要性が確認された。そこで23年度は、研究協力フィールドとして関東圏のある中学校に協力を求め、教員向けと生徒向けからなる、自殺予防プログラムの開発に取り組んだ。まず、関東の中学校10校の教員を対象とした質問調査を実施し、中学校教員が自殺予防に取り組むための問題点を抽出した。授業の方法がわからないこと、生徒たちへの不要な影響が心配されること、自殺予防教育を推進する学校の体制の整備が必要であることなどが問題であることが明らかになった。そこで、中学校において実施する自殺予防プログラムの開発においては、教員向けプログラムの内容の検討を先行させることが重要と考えられた。その際、文部科学省が作成した「教師が知っておきたい子どもの自殺予防」の内容を伝えることを主眼としながらも、より基本的な枠組みとして、教員が生徒の相談にのるための方法を含むものとした。また、生徒向けプログラムにおいては、生徒が自殺予防に取り組むための段階的な課題を設定し、各段階における学習目標と生徒の自殺への態度測定のための尺度や学習のためのツールを準備した。今後、研究協力フィールドにおいてこのプログラムの実行可能性を検討していく予定である。
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Research Products
(7 results)