2012 Fiscal Year Annual Research Report
高齢期夫婦の人生マネイジメント方略と精神的健康についての縦断研究
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21530700
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Research Institution | Meisei University |
Principal Investigator |
岡林 秀樹 明星大学, 人文学部, 教授 (90281675)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 生涯発達 / 高齢者 / 人生マネイジメント尺度 / 精神的健康 / 縦断研究 |
Research Abstract |
本研究の目的は、高齢期における人生マネイジメント方略が高齢者の精神的健康にどのような影響をもたらしているのか、そして、配偶者どうしの心理状態はどのように相互関連しているのか、を明らかにすることである。5年間の全体的な構想は、600組程度の高齢者夫婦に郵送調査を行い、人生マネイジメント方略や精神的健康の夫婦間における相互関係を検討し、さらに3年後の追跡調査で、初回調査から追跡調査までの縦断的変化、および、その変化をもたらした要因を明らかにするというものである。2009年度に予備調査を終え、人生マネイジメント尺度の日本語版を作成することができた。2010年度には、その尺度を用いて、日野市に在住の70歳から79歳の男性とその妻1500組に対する初回調査を完了した。2011年度は,その初回調査のデータ解析をもとに,調査協力者へのフィードバックが行われた。2012年度は,国際行動発達学会でのポスター報告と初回調査の調査報告書を執筆した。ポスター報告では,2009年度の予備調査のデータを基に構築した人生マネイジメントの測定尺度の項目困難度を,ドイツで作成されたオリジナルの尺度の項目困難度と比較した。調査報告書においては,初回調査のデータをもとに,高齢期の夫婦を対象に,基本属性,家族構成,就業,経済状況,社会的・個人的活動,友人の有無,夫婦関係,自分の健康と介護の必要性,家族の介護,主観的幸福感,人生マネイジメント方略,自己調節方略,およびパーソナリティ特性について,それぞれの回答割合や平均得点の夫婦間差を検討するとともに,それぞれの回答傾向についての夫婦の類似性を明らかにした。この報告書の内容は,今後の分析のための基礎的な資料となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2012年度には,(1)初回調査の全体像を概観できる報告書の作成,(2)予備調査データを用いた人生マネイジメント尺度の開発に関する学会発表と論文執筆,(3)初回調査データの解析に基づいた学会発表の準備,の3つを目標としていたが,それぞれ順調に進んでいる。具体的には,(1)に関しては報告書が作成できた。(2)に関しては,国際行動発達学会でのポスター報告を行い,それに関する論文を現在投稿中である。(3)に関しては,2013年度にアメリカ老年学会での発表を計画している。
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Strategy for Future Research Activity |
2013年度は,(1)初回調査データの分析に基づいた学会発表と論文執筆,(2)2014年3月に追跡調査を実施すること,が目標である。特に(2)に関しては,十分な準備(対象者の確定,具体的な調査実施方法や謝礼の仕方など)をしたうえで追跡調査を実施していくつもりである。
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Research Products
(5 results)