2009 Fiscal Year Annual Research Report
ビデオフィードバックを用いた幼児期の親子関係への介入技法の開発
Project/Area Number |
21530737
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
池邨 清美 Health Sciences University of Hokkaido, 心理科学部, 教授 (80201911)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 茂 北海道医療大学, 心理科学部, 教授 (90183516)
堀内 ゆかり 北海道医療大学, 心理科学部, 准教授 (70235761)
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Keywords | ビデオフィードバック / 親子関係 / アタッチメント / 介入技法 / 幼児期 |
Research Abstract |
本研究は、アタッチメント理論に基づいた母子関係への介入技法であるVIPP-SD (Video-feedback intervention to promote positive parenting and sensitive discipline)をわが国で実施し、その適用可能性と限界について明らかにするものである。 初年度では、日本語版マニュアルを作成し、予備的に実施した。その結果、日本語版の作成では、行動療法的な技法の説明にかなり工夫が必要なことが明らかになった。別に行った行動療法的技法に関する調査研究では、このやり方がわが国の一般的育児信念とは異なる部分が多く、行動療法的技法に関する知識を多くの人が持っていないことが明らかになった。それ故に、VIPP-SDで、行動療法的な技法に関する部分の適用にわが国の育児実態に即した工夫が必要と言える。 また、VIPP-SDを予備的に攻撃性の問題を主訴とする3歳・男児に実施したところ、顕著な効果が見られた。単に親子関係が改善しただけでなく、母親が本児への対応を大きく変えることで、本児の攻撃的行動が減少し、問題が解消された。親子の関わりをビデオに撮影し、それを視聴しながら対象者と話し合うことで、親が子どもの行動から子どもの気持ちを把握し、数回の介入で親子関係を変えたり、それに由来する問題行動の改善に寄与することが分かった。
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Research Products
(4 results)