2009 Fiscal Year Annual Research Report
後発帝国大学の設立理念と実態―九州帝国大学法文学部の場合―
Project/Area Number |
21530803
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
折田 悦郎 Kyushu University, 大学院・人文科学研究院, 教授 (10177305)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新谷 恭明 九州大学, 大学院・人間環境学研究院, 教授 (10154402)
藤岡 健太郎 九州大学, 大学文書館, 准教授 (00423575)
陳 昊 九州大学, 大学文書館, 助教 (50404108)
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Keywords | 法文学部 / 九州帝国大学 / 九州大学 / 教育史 / 大学史 |
Research Abstract |
1918年末、文部省は高等教育機関拡張計画の一環として東北・九州両帝大に法文学部を置くこととし、それぞれに法文学部が設置された。国内七帝大のうち、同学部が置かれたのは東北・九州の両大学のみである。この事実は、法文学部の存在自体が帝大史研究の中では一つの特徴を持つことを意味している。 初年度の目的は、上述のような状況を踏まえ、九州大学内外における関係史料の調査(含予備調査)を行うことにあったが、このうち先ず基本となる法文学部に関する原史料の確認・収集・調査では、九州大学大学文書館、各部局の調査を行った(具体的には、文書館と法、文、経済、教育学部での会議録等の調査・収集)。次に関連史料については、『九州大学新聞』から法文学部が存在した期間の『「九州大学新聞」法文学部系記事一覧』(仮)目録の入力(作成)をした。同様に『福日新聞』(大正中期の創立前史~昭和初年の「九大事件」期まで)については、マイクロフィルムより関連史料の収集(プリントアウト)を行った。そのほか、国立台湾大学の図書館、校史館等に出張して、台北帝大関係史料の調査を行い、年末の九州史学会大会では卒業生の「ヒアリング」作業にも参加した。一方、研究活動では、後掲「研究発表」のように、史料(「米国人文科学顧問団記録」、『九州大学大学史料叢書』第18輯)を復刻したほか、代表者を中心として、1、折田悦郎「九州帝国大学法文学部の成立」(特集:九州帝国大学法文学部の国史学、九州史学会)、2、同(コメンテーター)、報告者:白永瑞(延世大学校国学研究院院長・史学科教授)「植民地と脱植民地の狭間で-京城帝大と台北帝大の史学科の比較-」、九州大学韓国研究センター第49回定例研究会)や、その他いくつかの学会発表等を行った。 次年度は、さらに新たな史料を調査するとともに、京城帝大法文学部との比較等、九州帝大における法文学部の実態に迫りたい。
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Research Products
(12 results)