2009 Fiscal Year Annual Research Report
小学校国語科における活用力を育てる授業のあり方に関する研究
Project/Area Number |
21530911
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
成田 雅樹 Akita University, 教育文化学部, 准教授 (50361217)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大熊 徹 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (40152087)
藤井 知弘 岩手大学, 教育学部, 教授 (60333746)
長崎 秀昭 弘前大学, 教育学部, 准教授 (80374809)
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Keywords | 活用力 / 小学校国語科 / 授業 |
Research Abstract |
初年度の研究開始後まもなく研究分担者の大熊徹の編著『小学校国語科「活用型」学習の授業モデル』『中学校国語科「活用型」学習の授業モデル』が刊行(2009年8月)された。同書で示された「活用力」の概念規定と「活用型学習」の3類型(実生活に活用・国語科で活用・他教科で活用)と、研究代表者の提案する5類型(既習事項明示型・活用状況設定型・活用場面付加型・授業内活用確認型・関連学習型)及び「活用力」を育てる単元・授業の要件(仮説)を整理して、研究のコンセプトや研究の方向性を明らかにすることができた。このコンセプトを基準にして、研究メンバーごとに実践資料を収集・分析し、実証的に研究を進めた。研究代表者の成田雅樹は、秋田市立東小学校の協力を得て1年間継続的に授業づくり・実践検証にかかわって資料収集・分析及びコンセプトの修正をはかった。研究課題にかかわって、この1年の研究過程で見いだされた課題は以下の通りである。(1)学習者の活用意識に基づく活用状況の自己確認の必要(機能評価・自己総括的評価)。(2)思考力・判断力の発揮状況を教師が評価するための言語活動と表現力との関係の整理。(3)国語学力が必要になる日常生活場面・他教科の学習場面・国語科の学習場面の洗い出し。(4)国語科内の領域関連学習型の単元・授業(横の関連・共時的関連)と同一領域内での系統的積み重ねにおける単元・授業(縦の関連・通時的関連)の整理。(5)教材や学習者の実態に即した思考力・判断力・表現力の具体例の集積。(6)思考力・判断力・表現力の大まかな発達段階の設定。また、予想していたことであるが実践資料が「C読むこと」領域に偏っている。さらに学校現場との連携を要する研究であるため、資料収集が計画通りに進まないことがあった。そこで、次年度は収集が遅れている領域・学年について、現場教師から過去の実践資料の提供を受けることを考慮する。
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