2009 Fiscal Year Annual Research Report
調理技能の習得を中核とした家庭科食生活教育カリキュラムに関する実践的研究
Project/Area Number |
21530916
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
河村 美穂 Saitama University, 教育学部, 准教授 (00361395)
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Keywords | 家庭科教育 / 調理技能 / 食育実践 / 文部科学省食育推進事業 |
Research Abstract |
調理技能の習得を中核とした食生活教育カリキュラムの提案を目指すにあたって、家庭科における食生活教育の特微をあきらかにするために、家庭科以外で行われている食育実践の特徴を明らかにした。 全国47都道府県の教育委員会に、郵送により依頼し(2009年11月)、24の都道府県の平成18~20年度の文部科学省委託食育推進事業に関する89資料(2006~2008年度分)を収集した。 収集資料のうち、食育実践事例が掲載されていたのは53資料であり、さらにそのうちの40資料が指導案を掲載して指導内容を詳細に示していた。 学習内容が詳細に示された実践事例は316事例であり、実践報告、および実践をした上での実践の提案として示されていた。これらは学校段階別にみると、小学校215事例、中学校64事例、高等学校8事例、特別支援学校28事例(不明1事例)であった。教科・活動別にみると、小・中学校の場合、学級活動における食育実践が全体の4割以上を占めていた。家庭科は小学校高学年で3割、中学校で1割であった。抽出した食育実践事例はその他の教科(社会科、生活科、理科、保健体育)や総合的な学習の時間においても実施、提案されていたが、その割合はいずれも1割前後であった。 これらの実践事例には次のような特徴が見られた。 (1)学級活動における食育実践は、1時間単位で行われるものが多い。 (2)社会科、理科で実践されているものは、本来の単元のテーマの中にトピックスとして食育を位置づけるものが多い。そのため、食育実践としての目的は明確になりにくい傾向がある。 (3)総合的な学習の時間における食育実践事例は、年間指導計画の中で各教科と連携を図るものが多い。 (4)食育実践事例の学習内容は、朝ごはんの重要性、栄養のバランス、生活リズムの確立、学校給食と関連させたものが多い。 (5)学級活動としての食育実践事例が多いことからも、栄養教諭とともに、担任の役割が大きい。
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