2010 Fiscal Year Annual Research Report
調理技能の習得を中核とした家庭科食生活教育カリキュラムに関する実践的研究
Project/Area Number |
21530916
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
河村 美穂 埼玉大学, 教育学部, 教授 (00361395)
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Keywords | 調理技能 / 食生活教育 / 家庭科教育 / 概念的知識 / 手続き的知識 |
Research Abstract |
22年度は、子どもたちの調理技能の習得状況を明らかにすることを第1の目的として、以下の研究活動を行い成果を得た。 (1)調理実習における技能の習得実態と、試食時の評価活動との関連 調理実習の技能の習得と試食時の評価活動と関連があるのではないかという仮説から、試食時の実態と調理技能の習得実態を、観察調査/質問紙調査により明らかにした。その結果、調理技能の習得には、試食時の評価活動は直接の関連は見られなかったが、実習題材が嫌いな食材を用いた場合には、評価活動が正常に行われず、関心意欲が低下すること、ひいては調理技能の定着に悪影響を及ぼすことが示唆された。 (2)小学校低学年における調理技能・知識の定着に関する調査 調理経験が少なく技能の未熟な小学校2年生の段階で、電子レンジを用いる調理実習を実践し、そこでの調理技能の定着が知識の習得とどのように関連しているのかを検討した。その結果、調理実習においては、調理に関する概念的知識および手続き的知識が習得されていることが明らかになった。これは、実践後3ヶ月後においても定着していた。 (3)調理技能の習得を中核としたカリキュラム開発の要件の検討 調理技能の習得は、身をもって体験することによって知識がより習得される。その際に概念として知識を理解させることが、小学校の低学年段階でも有効であることが(2)の研究よりわかった。調理技能と知識について関連させ概念と身体的に理解させることがカリキュラムには必要である。
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