2011 Fiscal Year Annual Research Report
中等教育段階における日本人移民と日系アメリカ人の歴史についての教材開発
Project/Area Number |
21530998
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Research Institution | Hiroshima University of Economics |
Principal Investigator |
田中 泉 広島経済大学, 経済学部, 教授 (00279051)
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Keywords | 教材開発 / 歴史教育 / 日本人移民史 / 日系アメリカ人史 / 日本人墓地 / 日本人町 / カリフォルニア / ハワイ |
Research Abstract |
第1は、かつて日本人が移民し、今も日系人が居住する地域に赴いての調査研究・資料収集である。平成23年8月25日から9月6日まで、アメリカ合衆国サンフランシスコ、シアトル、およびカナダ国ヴァンクーヴァーを訪れた。サンフランシスコでは、日系人の歴史資料を保存する取り組みをしている団体である全米日系アメリカ人歴史協会や、沖縄県人会と広島県人会を訪れ、広島県人会の藤本聖香氏や沖縄県人会のウエスリー・ウエウンテン氏などにインタヴューし、またコミュニティの行事に参加した。シアトルでは、レイクヴュー日系人墓地および二世退役軍人協会の資料館で写真撮影を行うとともに、旧日本人町にある日本語新聞『北米報知』本社で佐々木志峰記者などにインタヴューした。またアメリカとカナダの状況の比較のために、ヴァンクーヴァーでは日本語新聞『バンクーバー新報』本社で津田佐枝子社長にインタヴューした。また、広島県人会のタカオ・ヤマシロ氏の案内でNPO「隣組」、旧日本人町(パウエル街)などを訪れ、写真撮影と関係者へのインタヴューなどを行った。 第2は、2011年10月22日に北海道教育大学札幌校で開催された日本社会科教育学会第61回全国研究大会での本研究課題の成果報告で「世界史学習における日本人移民史の教材開発」と題して日本人移民と日系アメリカ人の歴史について、高等学校世界史で扱う場合に利用できる教材の方向性を論じた。具体的には、平成21年3月公布の新学習指導要領において示唆されている「19世紀後期から20世紀前半までの社会の変化について人類史的視野から考察させる」要素としての「国際的な移民の増加」を理解させるための教材で、移民先でのコミュニティ形成を明らかにするもので、日本人移民については日本人町、日本人会(各県人会)、日本語新聞、日本人墓地などが利用できることを明らかにした。そして、3年間の本研究調査で収集した教材開発用の資料をウエッブサイトで公開することを準備中であることを述べた。
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Research Products
(1 results)