2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21531020
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
山口 恒夫 信州大学, 教育学部, 教授 (60115384)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 知音 信州大学, 教育学部, 教授 (20291388)
鷲塚 伸介 信州大学, 医学部, 准教授 (60313855)
上村 惠津子 信州大学, 教育学部, 教授 (30334874)
森光 晃子 信州大学, 総合健康安全センター, カウンセラー (10468986)
小田 佳代子 信州大学, 学生総合支援センター, 助教 (90549586)
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Keywords | 発達障害 / 大学生 / ニーズ調査 / 学生支援 |
Research Abstract |
自閉症スペクトラム障害(以下ASD)と注意欠陥多動性障害(以下ADHD)の傾向に関わる支援ニーズを把握するための質問紙を実施し、その特徴及び精神的健康度との関連を検討した。 【方法】ASD困り感質問紙(山本・高橋,2009)とADHD困り感質問紙(岩渕・高橋、2009)は既存の自己評価質問紙の項目に加え、事例報告論文、当事者の手記等から行動特徴、困難経験を表す記述を抜き出したものを項目化し、それらの困り感を4段階評価で問う質問紙であった。ASD困り感質問紙は2つの下位尺度、ADHD困り感質問紙は8つの下位尺度からなっていた。これらの項目に加え、相談を希望するかどうかを問う項目が含まれていた。信州大学全学部1年生の必修授業受講生を対象に実施した。精神的健康度はUPIによって測定した。 【結果】2つの質問紙の下位尺度は1つを除きUPIと中程度の相関があった。ADHD困り感質問紙の睡眠リズム障害下位尺度はUPIと弱い相関があった。相談希望者(迷っている者を含む)の割合は、ASD困り感質問紙が4.15%、ADHD困り感質問紙が4.45%であった。相談希望と特に関連の強い項目は、ASD困り感質問紙では「孤立していると感じている」、「過去の経験が現在おこっていることのようによみがえり、気持ちが不安定になることがある」、ADHD困り感質問紙では「頑張っているわりに、期待していたような結果にならない」、「いつもやらなければいけないことに追われて、余裕がない」であった。 【結論】発達障害に関連するような困り感から相談を希望する学生がいることが示された。また、その困り感は精神的健康度と関連していることが明らかになった。
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Research Products
(5 results)