2009 Fiscal Year Annual Research Report
高等部(知的障害)のキャリア発達に基づく「職業教育の学習活動表」と指導方法の構築
Project/Area Number |
21531023
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
渡辺 明広 Shizuoka University, 大学院・教育学研究科, 教授 (30310923)
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Keywords | 知的障害特別支援学校高等部 / キャリア発達 / 職業教育 / 作業学習 / 職業教育の学習活動表 |
Research Abstract |
本研究では、キャリア発達、すなわち職業的(進路)発達にかかわる諸能力を育成する視点から、卒業時の企業就労を目指す特別支援学校(知的障害)高等部の職業教育(作業学習)について、職業教育の進め方の類型ごとの「職業教育(作業学習)の学習活動表」の作成を試みる。 平成21年度は、全国の8校の特別支援学校(知的障害)高等部から、職業教育(作業学習)で実施している作業種目の学習活動についての聞き取り調査や資料蒐集等を行った。特に、軽度の知的障害のある生徒を対象としたA特別支援学校高等部の作業学習で実施されている、ものづくり(製作・生産)の学習内容と流通・サービス(商品管理・販売・事務)について進めた。5つの作業班の題材、題材の目標、学習内容表を作成し、各学習内容について、国立教育政策研究所生徒指導研究センターの作成した「職業観・勤労観を育む学習プログラムの枠組み(例)で示された「職業的(進路)発達にかかわる諸能力」(人間関係形成能力、情報活用能力、将来設計能力、意思決定能力の4領域)と国立特別支援教育研究所が作成している「知的障害のある児童生徒の『キャリア発達段階・内容表(試案)』による「各学部において育てたい力(観点)」との関連付けを行った。作業学習の学習内容については、業務遂行能力に関係深い情報活用能力の育成につながる学習内容が多いが、販売の活動については人間関係形成能力(場に応じた言動)を育成していることが分かったなど、キャリア発達の視点から、作業学習の目標の設定、学習内容の選定、作業活動の進め方を検討するための知見を得る。 併せて、S県下の特別支援学校において、思考力・判断力を育てる作業学習の内容と目標設定について、授業研究を進めた。
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