2010 Fiscal Year Annual Research Report
発達障害のある者への障害特性を考慮した体系的キャリア教育プログラムの開発
Project/Area Number |
21531036
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Research Institution | Mejiro University |
Principal Investigator |
宮本 昌子 目白大学, 保健, 准教授 (70412327)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺田 容子 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 福祉機器開発部, 流動研究員 (00510596)
安井 宏 目白大学, 保健医療学部, 助教 (70572379)
滝口 圭子 三重大学, 教育学部, 准教授 (60368793)
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Keywords | 発達障害 / キヤリア教育 / プログラム開発 / 就労支援 / 発達段階 / 小学校高学年段階 / 自己理解 / 質問紙調査 |
Research Abstract |
本研究の目的は、発達障害のある者の学校教育から就労への移行を支援する、障害特性を踏まえた体系的なキャリア教育プログラムを開発することである。そのために本年度は、小学校高学年段階用キャリア教育プログラムの開発・評価を行った。プログラムは施設祭の一角で「カフェ」を開くために、7月~1月の期間で計10日の指導日が設定され、第7回目が「カフェ」本番、その前後は「カフェの準備」と「まとめ」で構成された。プログラムを通した、対象児6名の仕事上のルール・マナーの遂行に関する変化を把握するため、プログラム時に直接指導した内容の項目について得意度を尋ねる質問紙、直接指導はしていないが、本番等での体験を通し、学習した可能性のある項目についての得意度を尋ねる質問紙を前後に実施した。その結果、前者では「清潔さ」について、共通して得意度が高まっており、後者では「自己統制」「自己主張」「他者受容」について得意度が高まったことが明らかになった。 また、障害理解(自己理解)を促す支援手法を把握する目的で、対象児の親を対象とした調査を実施した結果、親の目から見てプログラムの内容に関連した自己理解の促進がみられたが、障害理解と結び付けて考える段階ではないことが分かった。さらに、文部科学省,厚生労働省,経済産業省が公開している発達障害のある子どもの就労準備に向け「必要な能力」と「能力育成のために必要な学習内容」を再分類して構成した項目表に基づいて作成した調査票を、親に実施した(結果は分析中)。 特にコミュニケーションスキル面において、実施前評価では言語能力が平均以上である者(3名)、下である者(3名)に分かれたが、カフェ本番での評価は言語能力には関係せず、障害特性に関わる可能性が推測される。以上の結果から、小学生向けのプログラムの課題を抽出し、修正案を考案し、精度を高めたいと考える。
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Research Products
(15 results)