2010 Fiscal Year Annual Research Report
レゾナントパラメータを持つ超幾何微分方程式系の研究
Project/Area Number |
21540001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
齋藤 睦 北海道大学, 大学院・理学研究院, 准教授 (70215565)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秦泉寺 雅夫 北海道大学, 大学院・理学研究院, 准教授 (20322795)
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Keywords | 超機何系 / D-加群 / 微分作用素環 / 既約加群 / 有限生成系 / 超平面配置 |
Research Abstract |
Aを有限個の整数ベクトルからなる集合とする.A-超幾何系はパラメーターベクトルがジェネリックなときはD-加群として既約であるが,レゾナントなときには既約でない.以前に,圏0(半単純リー代数の表現論におけるBernstein-Gelfand-Gelfandの圏0の類似)における既約加群を分類した. 圏0における既約加群Lの多重斉次なnonzero元をvとする.Iをvのワイル代数Dにおける零化イデアルとすれば,LはD/Iと表せる.そこで以前,Iの有限生成系を具体的に求めるという問題について考察し,Aから生成される錐の面を使った言葉であらわした.平成22年度では,ある面に関する生成系が,余次元1の面に関する生成系で生成されるための十分条件を求めた. A-超幾何系の重要な例として青本-Gelfand系があるように,超平面配置の理論とA-超幾何系の理論とは密接な関連がある.超平面配置の理論においては斉次1階の微分作用素(derivation)のなす加群の構造,とくに自由性が多くの研究者により研究されてきた.しかし,高階の微分作用素についてはあまり研究されていない.北海道工業大学の奥山豪氏,北海道大学の中島規博氏とともにジェネリックな超平面配置について,斉次高階の微分作用素のなす加群の自由性を決定し,自由でない場合は極小自由分解を構成した.これは1階のときのYuzvinsky氏の結果の一般化である.また,関連して,m-jet加群のtransposeの極小自由分解も構成した.これは1階のときのRose氏と寺尾宏明氏による結果の一般化になっている.
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Research Products
(2 results)