2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21540090
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
横田 佳之 首都大学東京, 大学院・理工学研究科, 准教授 (40240197)
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Keywords | 結び目 / 体積予想 / チャーン・サイモンズ不変量 / ジョーンズ多項式 |
Research Abstract |
本研究の目標は、三次元球面内の双曲結び目に対する体積予想の完全な証明と、その応用として三次元双曲多様体の変形理論、あるいはデーン手術理論に注目し、双曲構造の変形空間の無限遠点や、トーラス・カスプ上の最短測地線を求める方法などを開発することです。 本年度の成果としては、体積と並んで、三次元双曲多様体のもっとも基本的な幾何学的不変量であるチャーン・サイモンズ不変量の公式を発見した論文が正式に受理され、ドイツの数学研究所で開催された国際研究集会で招待講演を行い、好評を得ました。また、一般化された体積予想に対する、はじめてのサポーティング・エビデンスとなる論文も正式に受理され、すでに出版されています。 また、ドイツで行われた1週間の研究集会のあと、ジュネーブ大学に2週間ほど滞在し、同大学のカシャエフ氏とともに、昔年の課題である、ツイスト結び目とよばれる結び目族に対する体積予想の厳密な証明に関する共同研究を行い、技術的な問題をほぼクリアできました。来年度の研究で論文としてまとめ、研究発表したいと思います。 また、6月に大阪大学で開催された研究集会では、上記の諸理論の基礎となる、結び目の補空間の四面体分割の理論全般に関して、集中的な解説を行い、ソフトウェア開発の専門家と、結び目の補空間の四面体分割に関する研究支援ソフトの開発の可能性について、活発な情報交換を行いました。
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