2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21540098
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
茂手木 公彦 日本大学, 文理学部, 教授 (40219978)
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Keywords | Dehn surgery / Seifert fiber space / lens space / hyperbolic knot / seiferter / Seifert Surgery Network / closed geodesic / band sum |
Research Abstract |
結び目のDehn手術でSeifert多様体が生じる典型的な例はトーラス結び目のDehn手術で、補空間のSeifertファイブレーションの拡張という視点から容易に理解することができる。一方、双曲結び目のDehn手術でSeifert多様体が生じる状況は、これまでに多くの例が知られているものの、その仕組みは解明されていない。Seifert多様体を生み出すDehn手術(Seifert手術)以外の非双曲Dehn手術に関しては既に多くの事実が明らかにされているが、Seifert手術に関しては、本質的な進展が見られないのが現状である。本研究では、双曲結び目のSeifert手術がどのように生じるか?という根源的な問題をネットワークという新しい視点から明らかにすることを目標に研究を進めた。本研究で鍵となる"seiferter"は、無関係だと思われていたSeifert手術の間の関係を突き止める上で非常に有効であり、seiferterを用いて定義されるSeifert手術全体からなるネットワークを利用してSeifert手術を大域的に理解することが可能となった。特に、双曲結び目のSeifert手術をトーラス結び目のSeifert手術と関連付けることにより、その起源を記述することが可能となったことは本研究の大きな成果であった。今年度はSeifert手術の源であるトーラス結び目のSeifert手術について詳しく考察し、双曲seiferterをもつようなトーラス結び目のSeifert手術の分類に向けた研究を進めた。自明な結び目のSeifert手術に対しては、双曲seiferterに加え膨大な数の双曲annular pairを見いだすことに成功し、非常に多くのSeifert手術が自明な結び目のSeifert手術に由来していることを明らかにした。これに関連してバンド和に関していくつかの結果を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
双曲結び目の起源となりうる双曲seiferterをもつトーラス結び目のSeifert手術の分類への第一歩として、結び目のband和(m-move)を用いて膨大な数のseiferterを得ることができ、起源となりうるトーラス結び目のSeifert手術の候補がしぼられてきた。これにより、Seifert Surgery Networkの全体像が明らかになりつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、最近盛んに研究されているprimitive/Seifert構成で得られるSeifert手術やchain linkから生じるSefert手術を、本研究の舞台にもなっているSeifert Surgery Networkの上でネットワークの視点から考察する。特に、トーラス結び目のSeifert手術を含む連結成分S_0の決定は重要な問題なので、primitive/Sefert構成で得られるSeifert手術やchain linkから生じるSeifert手術がすべてS_0に属しているか詳細に調べていく。
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Research Products
(5 results)