Research Abstract |
・Gを複素数体C上の連結かつ単連結な半単純リー群,B,Tをそれぞれボレル部分群,極大トーラスとするとき,旗多様体G/Bへの極大トーラスTの作用による同変コホモロジー環は,トーラスの作用による固定点集合への「局所化写像」を通して,組合せ論的に記述できることが知られている.この記述を用いて,Gが古典型SL(n,C),SO(n,C),Sp(2n,C)の場合には二重シューベルト多項式を用いた記述が得られているが,Gが例外型G_2,F_4,E_6,E_7,E_8の場合や,より一般の旗多様体G/P(Pは放物型部分群)の場合には,シューベルト多項式の与え方も含め,一般的な記述が知られていないものが多い.そこで,階数が最も低いG_2および複素2次超曲面Q_nの場合に,局所化写像を利用して,G_2/BおよびQ_nのトーラス同変コホモロジー環を計算し,環構造も含めて決定した. ・Gを複素数体C上の連結かつ単連結な半単純リー群,Kをその極大コンパクト部分群とするときGのアフィン・グラスマン多様体Gr_Gは,K上の基点付きループ空間ΩKとホモトピー同値であることが知られており,したがって,トポロジーの手法を利用して,Gr_G=ΩKのホモロジーを調べることができる.G=SL(n,C),K=SU(n)の場合には,「k-シューア関数」を用いた記述が知られており,これは,n→∞の極限において,ΩSU(∞)のホモロジー環とZ上の対称関数のなす環との自然なホップ代数としての同型を与える.この考え方をG=Sp(2n,C),K=Sp(n)の場合に推し進め,河野・小島の結果を利用することにより,ΩSp(∞)のホモロジー環とシューアP-関数のなす環との間に自然なホップ代数としての同型が存在することを示した.結果は,2011年度日本数学会年会(於早稲田大学)において発表された.
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