2010 Fiscal Year Annual Research Report
集合値写像の非線形スカラー化手法の研究と数理計画への応用
Project/Area Number |
21540121
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
田中 環 新潟大学, 自然科学系, 教授 (10207110)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯貝 英一 新潟大学, 自然科学系, 教授 (40108014)
山田 修司 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (80331544)
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Keywords | 集合値計画 / 非線形スカラー化 / ミニマックス不等式 / 集合値最適化 / ベクトル最適化 / 包絡分析法(DEA) / 凸解析学 / 集合値写像 |
Research Abstract |
本研究は,先行研究(基盤研究(C)課題番号19540120)で導入した統一的非線形スカラー化手法に関して理論的解析と数値計算アルゴリズムの開発,及び応用研究を行うことを目指すものである。平成22年度に得られた結果は以下の通りである。 1.大学院生との共同研究によって,集合値写像に対するKy Fanのミニマックス不等式を従来のものより簡潔な表現で与えることができた。その証明には,集合値写像に対する統一的非線形スカラー化関数の凸性と半連続性に関する遺伝的性質が効果的に利用されている。 2.上記の応用研究として,集合値写像に対するミニマックス定理とベクトル値関数を目的関数とするDC計画問題に対する研究に取り組み,新規の研究方向につながるような結果を得た。 3.DEA(包絡分析法)や統計手法を利用して多次元データに関する評価方法の応用研究を行った。特に,DEAについて効率的フロンティアを生成するファセットを形成する方程式を求めることにより,従来よりも精度の高いクロス効率評価値の近似値を計算できる手法を開発した。 4.ベクトル最適化や集合値最適化の数理科学への応用として,半順序空間に値をとる非加法的測度についてのEgoroffの定理とLusinの定理に関する研究に取り組み始めた。 5.得られた結果について,京都大学数理解析研究所での研究集会やタイと中国で開催された2つの国際会議(NAO-Asia2010,ICOTA8)で口頭発表を行った。
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