2009 Fiscal Year Annual Research Report
無限次元力学系における分岐とホモ/ヘテロクリニック挙動
Project/Area Number |
21540124
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
矢ヶ崎 一幸 Niigata University, 自然科学系, 教授 (40200472)
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Keywords | 力学系 / 無限次元系 / ホモ / ヘテロクリニック挙動 / 分岐 / 摂動法 / 微分ガロア理論 / 数値解析 |
Research Abstract |
偏微分方程式系や離散格子系などの無限次元力学系に対しては,力学系理論的なアプローチの有効性は容易に認識されるものの,そのような取り扱いにはいまだ多くの課題が残されている.これら無限次元系において起こる分岐現象およびホモ/ヘテロクリニック挙動を明らかにする第一歩として,空間1次元の偏微分方程式系におけるソリトンおよびパルス解の分岐現象を解析するため,4次元常微分方程式系のサドル型平衡点に対するホモクリニック軌道に対して,そのまわりの変分方程式が2個の独立な有界な解を有するとき,そのサドル・ノードおよびピッチフォーク分岐がある非退化条件の下で起こることをメルニコフの方法を拡張するなどして適用して示した.さらに,このとき,その変分方程式が微分ガロア理論の意味で可積分となることを証明した.また,偏微分方程式系における定常解に対応する,4次元の可逆的な常微分方程式系の周期解の分岐に対する摂動的な方法を開発し,特に,ホモクリニック軌道の分岐とは異なり,変分方程式の可積分性との関連性はないことが明らかとなった.最後に,ソリトンおよびパルス解の線形安定性を判定する際に現れるストゥルム・リウビル問題を取りあげ,その解が存在するとき,与えられた方程式が微分ガロア理論の意味で可積分となることを証明した.これら3つの理論結果に対して具体的な適用例を示し,さらに数値計算結果と比較し検討するなどして,それらの有効性を明らかにした.
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Research Products
(9 results)