2010 Fiscal Year Annual Research Report
計算機援用証明による微分方程式の解曲線のパラメータ連続的追跡
Project/Area Number |
21540134
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
渡部 善隆 九州大学, 情報基盤研究開発センター, 准教授 (90243972)
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Keywords | 計算機援用証明 / 解の存在検証 / 非自己共役固有値問題 / 固有値の除外 / 線形化作用素のノルム評価 |
Research Abstract |
1.これまで得られてきた非線形偏微分方程式の解に対する計算機援用証明手法を,自然境界条件を持つ反応拡散方程式系に対して適用した.具体的には,2次元FitzHugh-Nagumo型方程式を2重Fourier級数展開により離散化し,直交射影に対する構成的誤差評価を与えることにより,これまで存在が確認されていなかった非自明解の存在検証に成功した.また,パラメータ連続的に分岐曲線を追跡する手法に関する数値実験を行った 2.無限次元Newton法の適用においては,線形化作用素の逆作用素の存在とその効率的なノルム評価が大きな役割を占める.今回,不動点定理と有限次元問題のスペクトルノルムの評価を組み合わせることにより,無限次元の意味での最適値へのオーダーを持つことが期待される逆作用素ノルム評価を与えるアルゴリズムの開発に成功した.また,実際の問題に対して検証アルゴリズムを適用し,従来の方法と比較し,その優位性を精度保証付き数値計算によって明らかにした 3.非線形方程式の解をパラメータ連続的に追跡するためには,対応する線形化問題の可逆性の保証が必要であり,多くの問題において可逆性の保証は追跡対象パラメータが対応する固有値問題の固有値でないことの立証と同値であることが明らかとなっている.該当年度の研究として,昨年度得られた結果に加え,移流拡散方程式から導かれる非自己共役複素固有問題に対する固有値の除外アルゴリズムと具体的な検証例を与えることができた.さらに,有限次元固有値問題に対する高精度・高速化についても検討した
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